ブラーのギタリストであるグレアム・コクソンは1997年発表のセルフタイトルのアルバムでブリットポップのサウンドから距離を取ろうとしたことについて振り返っている。
通算5作目となる『ブラー』には“Song 2”と“Beetlebum”といったシングルが収録され、以前の作品と比較してアグレッシヴさと感情の激しさが前面に出された内容となっていた。
グレアム・コクソンはバンドの主要メンバーとしてスタイルの変化を推し進めたが、『モジョ』誌のインタヴューでどのようにそれを実現させようとしたかについて語っている。
「デーモン・アルバーンに手紙を書くことにしたんだ。というのも、自分の意向を会話で切り出す自信がなかった。こんな感じだった。『また人々をビビらせたいんだ。というのも、始めた当時は“Oily Water”とか“Resigned”とか、不安感を煽る曲に夢中だった。とんでもない騒ぎにして、楽しもう』ってね」
「あまり反応はなかったんだけど、デーモン・アルバーンは自分に少し操縦桿を握らせてくれた。熱心に共感してくれたよ。全員が自分自身を表現できるようにして、僕にはノイズで遊ばせてくれる時間を与えてくれた。自分の介入がそんなになくても、ギターができることを見られるようにしたかったんだ」
「でも、デーモンは彼の声を美しいもので包む時にも僕にできることがあるのも分かったいたんだけどね。ただ、ブラーの連中は“Essex Dogs”のような曲があるから、グレアム・アルバムとよく呼んでいたよ」
グレアム・コクソンは次のように続けている。「不思議にもブリットポップなるものに巻き込まれていた感じだったんだ。自分たちは関係ないのにね。服とかでもブリットポップの匂いを消して、大好きなザ・キンクスからも離れようとしていたんだと思う。デーモンとプロデューサーのスティーヴン・ストリートのおかげで、デヴィッド・ボウイはまだあったけどね。『トード・オブ・トード・ホール』的なサイケデリアよりもヘヴィなサイケデリアを見つけたんだと思うよ」
「EMIがどんな懸念を抱いていたかは分からないけど、彼らは面白がって聴かせた“Song 2”も気に入ってくれたし、“Beetlebum”もあった。“Strange News From Another Star”も冗談半分でBサイド用にやってみた。でも、フード・レーベルのアンディ・ロスが入れたがったんだ。焦点の定まっていないアルバムだけど、それぞれの曲に個性があって、それってなかなか難しいんだよ」
「ブラーのアルバムを試しに聴いてみるなら、これになるんじゃないかな。やりたい放題のところがあるからね。どう評価されたのか、気に入られたのか思い出せないけど、正真正銘のところからできたもので、それってなかなか否定できないものなんだよ。本物であることにはすごい力があるんだ」
一方、ノエル・ギャラガーはインタヴューでブラーやパルプといったグループは「素晴らしいバンド」だが、オアシスのほうが「優れていた」と語っている。
「ブラーにしても、パルプにしても、ザ・ストーン・ローゼズにしても、ザ・ラーズにしても、素晴らしい人物で、1〜2曲いい曲があった。でも、俺たちには12曲あったんだ。あいつらがどんなにラウドでも、俺たちのほうがラウドだった。あいつらがどんなに速くても、俺たちのほうが速かった。あいつらがどんなによくても、俺たちのほうが勝っていたんだ」
「みんな素晴らしいバンドだよ。でも、俺たちのほうが優れていた。それぐらい単純なことだった」
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