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マイケル・ジャクソンの遺産管理団体はドキュメンタリー『ネバーランドにさよならを』の製作者が誹謗中傷禁止条項に違反していると訴えた裁判で勝利を収めている。

マイケル・ジャクソンの遺産管理団体はHBOを1億ドル(約104億円)で訴えており、性的虐待を受けたと主張する犠牲者の発言を掘り下げた2019年公開の『ネバーランドにさよならを』が27年前の誹謗中傷禁止条項に違反していると主張していた。対してHBOはマイケル・ジャクソンの遺産管理団体が性的虐待の被害者を沈黙させようとしていると非難していた。

HBOは1992年発表の『デンジャラス』ツアーの放送に際して結んだ誹謗中傷禁止条項が今回の論争とは無関係だと主張していた。

昨年、下級裁判所は公的仲裁プロセスでの解決を求める遺産管理団体側の主張を退けていた。

現地時間12月14日に第9巡回区控訴裁判所で行われた裁判でHBOは下級裁判所の判決を3人の審査員団も支持していると主張していたが、判事はHBOが主張するように裁判が「根拠のない」ものかもしれないが、決めるのは仲裁者に委ねられると結論づけている。

「契約にはHBOが守秘義務に違反してマイケル・ジャクソンの名誉を傷つけたという主張をカヴァーする幅広い仲裁条項が含まれていました」と審査員団は裁定している。「私たちは両陣営がそのような主張の仲裁に同意するかを確認すればいいだけなのです。主張が価値あるものかを決めるのは仲裁者になります」

HBOの弁護士であるセオドア・ブートラスはどちらかが義務を果たせば1992年の契約は失効すると主張していたが、判事はこれを退けている。「前に契約を完全に履行していたとしても仲裁条項は有効です」

HBOはマイケル・ジャクソンの遺産管理団体側がHBOがマイケル・ジャクソンについて何かを言うことに対する拒否権を発動させないために仲裁を退けようとしていた。

これによってHBOの選択肢は係争を仲裁者の下に持ち込むか、第9巡回区控訴裁判所で控訴するかとなっている。

昨年、マイケル・ジャクソンの遺産管理団体は『ネバーランドにさよならを』がエミー賞を受賞したことへの不満を表明していた。

「完全にフィクションの作品がエミー賞のノンフィクションの部門で讃えられるとはとんだ茶番です」

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