ラッシュのニール・パートは1974年から1977年まで使用していたドラム・キットがオークションで50万ドル(約5200万円)の価格で落札されている。
レコーディングやライヴで使用されたスリンガーランド社製のドラム・キットは12月10日に終わったボーナムズのミュージック・メモラビリア・オークションで落札されている。
ラッシュのロゴとニール・パートの名前がドラムヘッドに入ったドラム・キットはクロムで覆われていて、ニール・パートがドラムヘッドにサインしており、10万4000ドルから15万7000ドルの値をつけると見られていた。
しかし、その予想価格を遥かに上回る値がついており、100万ドルの約半分となる50万312ドルの価格をつけている。
ボーナムズの説明によると、ニール・パートはこのドラム・キットをラッシュに加入する直前の1974年にトロントのロング&マクエイド楽器店で購入したという。
ニール・パートは1974年8月14日の公演でラッシュと初めてこのドラム・キットを使用しており、1977年までメインのドラム・キットとして使われている。
『夜間飛行』、『鋼の抱擁』、『西暦2112年』といったアルバムはすべてこのドラム・キットでレコーディングされており、トロントのマッセイ・ホールで行われた3夜連続公演で収録された初のライヴ・アルバム『オール・ザ・ワールズ・ア・ステージ』でも使用されている。
10年後、ニール・パートはこのドラム・キットを『モダン・ドラマー』誌に無償で提供しており、当選者のマーク・フェルドマンは先週オークションに出品した人物にドラム・キットを売却している。
ニール・パートは史上最高のドラマーの1人と目されており、膠芽腫との闘病の末に今年1月に亡くなっている。
フー・ファイターズのデイヴ・グロールはニール・パートに追悼の意を表しており、「優しく思慮深く聡明な人」だったと述べている。
「今日、世界はロックンロールの歴史における真の巨人を失いました。その間違えようのないサウンドで私も含めた無数の人に影響を与え、何世代ものミュージシャンが2本のドラム・スティックを手に取り、夢を追うことになったのです。ドラミングだけでなく、その言葉も含めて、この優しく思慮深く聡明な人は私たちのラジオやターンテーブルを支配してみせたのです」
声明は次のように続いている。「若かりし頃、“2112”を初めて聴いた時のことを鮮やかに覚えています。ドラマーを意識して聴いたのは初めてでした。あの日以来、音楽は違うものになりました。彼のパワーと正確さ、そして作家性は比類なきものです。彼は『博士』と呼ばれてきましたが、当然です。私たちはみんな彼から教わったのです」
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