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アノーニはグロリア・ゲイナーの“I Will Survive”をカヴァーした音源がストリーミング・サービスで公開されている。

アノーニは10月に公開された90年代のライヴ映像でこの曲をカヴァーしていた。アノーニはフェイスブックがこのカヴァーをCMに使いたいと20万ドル(約2100万円)のオファーをしてきたが、断った逸話も明かしている。

アノーニは次のように述べている。「6月にフェイスブックが中小ビジネスの擁護者であるとするCMに昔の“I Will Survive”のライヴ・バージョンを使わせてくれないかという20万ドルのオファーがあったんだ」

「お金を使うこともできたけど、フェイスブックがドナルド・トランプの再選を可能とするフェイク・ニュースを配信していることに加担したくないと思って断ったの。彼らは他の関係者の懸念は彼らが選んだチャリティ団体への寄付や直接金銭を支払うことでなだめてきたと送り返してきたわ」

「次の日の朝起きて、これは広告でさえなく政治だと分かったの。どれだけ深刻な事態か分かっていなかったわ。このドローガ5という会社はオバマやグーグルなどとも仕事をしている。私は立ち去らなければならなかった」

「1ヶ月後、広告を見たら、フェイスブックは別のシンガーに私のバージョンを真似させていた。吐き気を催しそうな感情だった」

アノーニは次のように続けている。「私たちはフェイスブック、グーグル、ツイッター、アマゾンといった会社が私たちの暮らしや精神、仕事、文化、社会を自分で統治する能力を破壊していることを知っている」

「アーティストである私たちはアップルやフェイスブックといった企業に養われ、弱体化され始めようとしている最初の存在なの」

「今、アーティストとして立ち去る最初の存在になければならない。インスタグラムやフェイスブック、グーグル、アマゾンがなくても生きていけることを示さなければならない。私たちは暮らしやコミュニティ、プライベートな会話といったものの再建へと向かわなければならない。世界で最も裕福で邪悪な企業によって提供された人を操るインフラやインターフェイスに頼らずね」

「フェイスブックとの破談の後、“I Will Survive”のスタジオ・バージョンを完成させないではいらなれないと思った。20歳の時にニューヨークのナイトクラブで初めて歌った曲だった。何度も歌ってきた。あの頃はマーシャ・P・ジョンソンやエイズに直面しながら生きようと必死だったアンダーグラウンドのクィア・コミュニティのことを考えながら歌っていた。今はこの地球での未来の暮らしへのアンセムのような気がしている」

アノーニは次のように締めくくっている。「もちろん、YouTubeはグーグルが所有している。私は自分のアカウントを閉じることもなかった。でも、このことをみんなと話したかった。その会話に参加したかった」

アノーニはこのカヴァーのコラボレーターとしてオレン・ブロウドウ、マックス・モストン、アレックス・シルヴァの名前を挙げ、映像は1991年や1992年のアノーニのライヴ映像と1994年のクロエ・ズビロの映像だとしている。

8月にもアノーニはボブ・ディランの“It’s All Over Now, Baby Blue”とニーナ・シモンの“Be My Husband”という2曲のカヴァー音源が公開されている。

“It’s All Over Now, Baby Blue”のカヴァーについてアノーニは次のように述べている。「数年前の午後にケヴィン・バーカーと“It’s All Over Now, Baby Blue”をレコーディングしたんだ。最近聴いて、今の苦しみや今後の苦しみに対する吐き気のようなノスタルジーを思い出したんだ」

アノーニは次のように続けている。「当時、ボブ・ディランの曲を数曲やったんだ。新型コロナウイルスで4月に亡くなったプロデューサーのハル・ウィルナーに促されてね」

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