システム・オブ・ア・ダウンのベーシストであるシャヴォ・オダジアンはバンドが意見の違いを脇において15年ぶりとなる新曲をリリースした経緯について語っている。
全員がアルメニア系であるシステム・オブ・ア・ダウンは“Protect The Land”と“Genocidal Humanoidz”を「アルツァフやアルメニアという文化的故郷で起きてしまった深刻な戦争」についての関心を高めるためにリリースしている。
ドラマーのジョン・ドルマヤンがドナルド・トランプ大統領への支持を表明してメンバーと衝突する中でシャヴォ・オダジアンはジョン・ドルマヤンが新曲をレコーディングすることを提案したことを明かしている。
「彼が連絡してきて、すべてに目をつぶって、何かをする必要があると言ったんだ」とシャヴォ・オダジアンは語っている。
「僕たちには参加する必要があったし、できる限りの方法で手助けをする必要があった。今回のことは自分たちよりも大きなことだったし、自分たちの感情や自分たちのエゴよりも大きなことだった。やるべきだってね。そして、すぐにダロンが反応して、自分にも時間をセーヴできるものがあったんだ」
ダロン・マラキアンが両方の曲の作曲と歌詞を手掛け、その後“Protect The Land”のミュージック・ビデオを完成させている。
「僕らは一緒にいて、ツアーをやってきて、ライヴをやってきて、一緒につるんだり、ランチに行ったり、ディナーに行ったりしてきたんだ」とシャヴォ・オダジアンは続けている。
「僕らは友人なんだ。分かるだろ。全員友人なんだよ。クリエイティヴ面ではまとまりがなかったけどさ。だから、集まった時の最初の緊張感というのはちょっとあったよね。全員がどんな感じになるか分からなかったからね。でも、5分もしたら話をし始めて、笑いながら曲についてどんな感じにするか話をして、どうやって手助けをするか、これが同胞のためにどんなものになるかについて話をした。一番はこれを機能させて同胞たちの助けになるようにどうするかということだった」
彼はさらに次のように語っている。「というのもトロイの木馬みたいに感じているんだ。15年ぶりで、僕らは何もやってこなかったから、世界が聴くことになるっていうね」
フロントマンのサージ・タンキアンはこの曲について次のように語っている。「アゼルバイジャンとトルコによって起こされた人道に反する壊滅的悲劇について認知を高めるための曲なんだ。そして、寄付を募るための曲なんだ」
「バンドはすべての収益をアルメニア・ファンドに寄付するよ」
先週、バンドは曲に合わせて長文の声明を発表しており、ナゴルノカラバフ地域でアルメニアとアゼルバイジャンの間で起きた紛争について述べ、同地域は多くの人口が住むアルメニア人はアルツァフ共和国と呼んでいる。
この地域を巡るアルメニアとアゼルバイジャンによる紛争は1994年に停戦していた。この地域は国際的にはアゼルバイジャンの一部とされているもの、ほぼアルメニア人によって統治されており、今日まで独立を主張している。
今年9月にトルコの援助を受けたアゼルバイジャンが攻撃したことで今回の紛争は勃発している。バンドは声明で、アゼルバイジャンのアリエフ大統領とトルコのエルドアン大統領の体制が世界が新型コロナウイルスと大統領選、市民の暴動に気を取られている間に「何の咎めもなく虐殺的行為に及んだ」と述べている。
先月、サージ・タンキアンはドラマーのジョン・ドルマヤンによる最近の政治的言動について苛立ちを覚えていることを明かしている。一方で「アルメニアの問題については僕らは間違いなく同じページにいる」とも述べている。
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