現地時間11月7日に開催されたロックの殿堂入りの式典でリンゴ・スターはT. レックスのマーク・ボランのロックの殿堂入りにあたってスピーチを披露している。
T. レックスと共にデペッシュ・モードやナイン・インチ・ネイルズもロックの殿堂入りを果たしており、ナイン・インチ・ネイルズに対してはイギー・ポップがスピーチを担当している。
「彼のことを偉大なミュージシャンとして、ソングライターとして、ギタリストとしてみなさんは知っていると思いますが、彼は詩人でもありました」とリンゴ・スターは1977年に自動車事故で亡くなった友人について語っている。「彼はそれを誇りに思っていました」
「彼はいつもイギリスでナンバー1の売上の詩人なんだと私に言っていました。事実、彼の詩はその音楽と同じくらい彼にとって重要なものでした。彼には素晴らしいスタイルがあって、今まで会った他の誰とも違いました」
リンゴ・スターは次のように続けている。「彼は素晴らしいパフォーマーでした。途轍もなかったのです。一緒に作った映画を『ボーン・トゥ・ブギー~ザ・モーション・ピクチャー』と名付けたのもだからです。彼はまさにそういう人でした。私はマークに言いました。僕がカメラとかを全部用意するから、君は君自身だけ来てくれればいいとね。私たちは一緒にたくさんの楽しいことをしました。すごく笑ったのを覚えています」
「私たちはあまりにも早く彼を失ってしまいました。彼はその短い生涯で、彼と同じくらい斬新で、時代を先んじた12枚を超えるアルバムを作りました。トニー・ヴィスコンティと彼のバンドであるT. レックスの助けを借りて、マークのスタイルは多くのトレンドとなりました。人々は“Get It On”、“Children of the Revolution”、“Born to Boogie”のようなシングルをグラム・ロックと呼ぶようになりました」
リンゴ・スターはスピーチを次のように締めくくっている。「でも、それは僕にとって常に単に素晴らしい音楽でした。今も人々がT. レックスを聴いているのはだからです。人々はロックの殿堂の判断を間違いなく信頼するでしょう。ついに彼らを今迎えることができて非常に誇りに思います。愛と平和を、マークとミッキー、スティーヴ、ビルに。平和と愛を、僕を含むT. レックスのファンに。平和と愛を」
T. レックスがロックの殿堂入りを果たすことは今年1月に発表されており、マーク・ボランの元恋人でバンドメイトだったグロリア・ジョーンズは彼はきっと喜ぶはずだと語っている。
「『やっとだ』と彼は言うと思うわ」とグロリア・ジョーンズは米『ビルボード』に冗談を飛ばしている。「彼は非常に謙虚な気持ちの持ち主だった。でも、彼は自分のことを理解していました。彼は自分の価値を分かっていたのです」
今年、マーク・ボランのトリビュート・アルバム『エンジェルヘッディド・ヒップスター』がリリースされている。アルバムにはアコースティックによるニック・ケイヴの“Cosmic Dancer”のカヴァーやピーチズによる“Solid Gold, Easy Action”のカヴァー、ケシャの“Children Of The Revolution”のカヴァーなどが収録されている。
アルバムにはU2やエルトン・ジョン、ジョーン・ジェットも参加しており、4月に亡くなったハル・ウィルナーがプロデュースを手掛けている。
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