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システム・オブ・ア・ダウンのドラマーであるジョン・ドルマヤンはサージ・タンキアンがバンド全体の政治的見解を代弁しているわけではないと語っている。

ポッドキャスト『ディヴィアント・ジェントルマン』に出演したジョン・ドルマヤンはイデオロギーの面でサージ・タンキアンとは真逆とも言える自身の政治的見解はバンドのファンに自由に公開されるべきだと語っている。

「サージがバンドの代弁者だと考えているんだとして、ヴォーカルということではそうだけど、イデオロギーでは必ずしもそうじゃないわけでさ。行き着くところはなくなってしまうんだよ」とジョン・ドルマヤンはポッドキャストに語っている。「僕としては違った見解を示したいし、違った考え方をして批判的な考え方をするキッズたちに与えたいんだよ。必ずしも普通に従うのではなく、違った選択肢もあるということを伝えたいんだ。平和的な方法である限り、多様性や選択肢はあっていいし、違う考え方をしてもいいと伝えたいんだ」

ジョン・ドルマヤンは今年6月に「マイノリティに対する偉大なる友人」とドナルド・トランプ大統領に賛辞を寄せたことで、ファンを驚かせていた。

一方、システム・オブ・ア・ダウンのフロントマンであるサージ・タンキアンは「ものすごく乖離した政治的見解」がありながらもドラマーのジョン・ドルマヤンを擁護している。

ジョン・ドルマヤンはポッドキャスト『ディヴィアント・ジェントルマン』に自身のコメント以上に「自由な考え方を持っている」と語っている。「自分は自由な考え方を持っているんだよ。インスタグラムの投稿で常にそれが明らかになるわけじゃないんだ。というのも、投稿するといつも激情を呼んで、そこには僕を苛立たせるものもあるからね。そして、最終的にはそれが僕の意見ということになってしまうんだ」

ジョン・ドルマヤンは自分と意見を異にする人にしても「自分の意見を声に出す権利」を「否定するようなことはしない」とし、ファンはメンバーが様々な政治的な見解を持っていることを知るべきだと語っている。

「こういう投稿をする理由の一つはシステム・オブ・ア・ダウンが左翼的な考えを示してきた歴史があって、それは常に事実だったわけではないからなんだ。もちろん、サージは詞を書いているけど、でもそれは僕らが思っているようにバンドを体現しているわけでは必ずしもないわけでね。バンドには4人の個人がいるわけでさ。僕だって自分以外の人間の代わりに話なんかできないし、それはサージもそうだよね」

「でも、彼には歌詞を書いているというプラットフォームがあるから、バンド全体が常にそう思っていると受け取られてしまうんだよね。サージだって常にそう考えているわけではないとも思うよ。自分の頭の中でも意見の多様性があるはずでね。与えられた情報でしか判断できないわけだからね」

彼は次のように続けている。「当時は多くの歌詞について僕も同意していた。例えば、刑務所制度の改革とかね。トランプ大統領がやったこともある。自分は物事を『白黒』で判断しないんだ。みんな、そうするようになっているけどさ。自由な考えを持たずに物事が起きている理由を掘り下げてないから『俺は共和党員だ』とか『自分は民主党員で、これからもずっとそのつもりだ』なんてことになるんだよ。自分にひどい仕打ちをしているんだ」

「ああいう投稿をしてトラブルに巻き込まれて、自分にいいようにしない大きな理由の一つはそれらが受け入れられている見解じゃないからなんだよね。でも、理由の一つとしてシステム・オブ・ア・ダウンのファンで、僕らの音楽や歌詞を楽しんでいるとしても政治的な曲は12%もないんだ。社会性についての曲もあるし、恋愛関係の曲もあるし、起きた天災についての曲もあるし、空想の曲もある」

「多くのことが文脈をそがれてしまっているんだよ。君がシステム・オブ・ア・ダウンのファンで、僕らの音楽に興味を持ち、楽しんでいるとしても、必ずしもメッセージに同意する必要はないんだ」

インタヴューでジョン・ドルマヤンはドナルド・トランプ大統領をめぐる混乱についても語っており、彼の人格批判は「礼儀や人の意見に耳を傾ける能力を失わせる」ものだと述べている。

「彼は人々のために素晴らしいこともやってきた。すべての政策がいいわけではないけど、この国のためにいいこともたくさんやってきたし、その功績は認められるべきだよ」

先日、サージ・タンキアンはジョージ・フロイドの死に対するアメリカ全土に及んだ抗議運動に対する措置をめぐってドナルド・トランプ大統領について「過去の間違いだらけの非民主的なリーダー」と同様だと述べている。

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