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リナ・サワヤマはマーキュリー・プライズの今年の候補作が発表されたのを受けて、現在の候補資格に疑問を投げかけている。

ダーティ・ヒットからリリースされたリナ・サワヤマのデビュー・アルバム『サワヤマ』は今年候補に入らなかった注目作となっている。マーキュリー・プライズの式典は今年9月に開催される。

エルトン・ジョンは候補作に入らなかったことについてインスタグラムで驚いたことを表明している。「残念なことにすべての人が候補になったというわけではないようだね。臆面もなく言わせてもらえれば、見過ごされた2組のアーティストを宣伝させてもらいたい」と彼は述べ、「2020年で最も好きな作品」だとしている。

『ヴァイス』誌のインタヴューでリナ・サワヤマは現在のルールでは候補資格がないことを明かしている。ソロ・アーティストの場合、候補資格はイギリスないしはアイルランド国籍が必要で、パスポートのような国民であることを示す公式文書が必要となっている。

バンドの場合はここまでは厳しくはなく、バンド・メンバーのうち30%がイギリスないしはアイルランド国籍を持ち、バンド・メンバーの大半が拠点とする基本的な住所がイギリスないしはアイルランドであることを示すことが必要となっている。

こうした国籍の問題はブリット・アウォーズにも適用されるとのことで、「ブリティッシュ・ソロ・アーティストやブリティッシュの付く他のカテゴリーにはイギリスのパスポート所有者でなければならない」とされている。

リナ・サワヤマは子供の頃に日本からイギリスに移住し、UKに無期限でいられるビザを持ち、永住権とイギリスで働く権利を有している。

「すごく傷ついたわ」とリナ・サワヤマはマーキュリー・プライズの候補資格がないことを知った時のことについて語っている。「泣くまで動揺することってほとんどないけど、泣いてしまったの」

彼女は次のように続けている。「私が覚えているのはここで暮らしてからのことなの。その意味で私は全人生をここで暮らしてきたわ。日本のサマー・スクールには行ったことがある。でも、それだけよ。私は少なくとも候補資格があるくらいにはUKに貢献してきたと思う」

「私が契約したのはUKのレーベルだしね」と彼女は語っている。「この25年、中断なくここでずっと暮らしてきたの。税務登録もこの国にしている。アルバムは全編UKとロサンゼルスでレコーディングした。ある1曲の一つのヴァースを除けば、歌詞も全部英語だしね」

ダーティ・ヒットはマーキュリー・プライズの主催者にリナ・サワヤマの移民事情を説明しようとしたが、『ヴァイス』誌の報道によれば、レーベルには「すぐにルールを変えることはできないことを知らせる素っ気ないメールが届いた」という。

リナ・サワヤマの件についてマーキュリー・プライズとブリット・アウォーズを主催するBPIは『ヴァイス』誌に次のように応じている。「ブリット・アウォーズもマーキュリー・プライズもその特性の中で包括的であろうとしています。選考経緯や候補資格の基準は常に見直されています」

リナ・サワヤマは「イギリス由来に何が含まれるかを決めるのは賞の母体次第であり、多様性やチャンスは彼らが尊重しているものだ」と述べ、「永住者に目を向け、イギリス由来の意味するところを変更してほしい」と語っている。

「イギリス由来という概念は日常会話にも非常にネガティヴな形で表れてきた。ここ5〜6年はそれがすごく狭くなっているの」とリナ・サワヤマは語っている。「アートはそれを巻き戻して、広げることのできる場所だと思っている」

リナ・サワヤマは次のように続けている。「私はイギリス由来の定義について基本的に同意していない。私は自分をイギリス人だと思っている。私は分類するのが好きじゃないし、また他の誰かが苦しむ原因を残したままにしたくない」

「アートの賞が候補資格で独自の国境管理をしているのなら、それって問題だと思うわ」

リナ・サワヤマは先日、デビュー・アルバムの制作を追ったドキュメンタリー作品を公開することを予告している。

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