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ブルース・スプリングスティーンは新型コロナウイルスの感染拡大でアメリカン・ドリームと現実のアメリカでの暮らしに大きな差があることが露わになってしまったと語っている。

衛生ラジオ局のシリウスXMの番組「Eストリート・ラジオ」でブルース・スプリングスティーンはアメリカで6万人以上が亡くなっているパンデミックの社会的影響について語っている。

「この間、『ニューヨーク・タイムズ』紙にアメリカを心配する人にぜひ読んでもらいたい論説があったんだ。『ジ・アメリカ・ウィ・ニード』というタイトルなんだけどね。そのうちのちょっとした一文を引用させてもらいたいんだけどね」とブルース・スプリングスティーンは語っている。

「フランクリン・デラノ・ルーズベルトは、自由は生計を立てる機会やその時代の基準に従ったまともな暮らしを必要とすると言っている。生きていくのに十分なだけじゃなく、生きていくためのものがある暮らしが必要だとね」

「今回のパンデミックは私たちの国を苦しめる富や健康における不平等を露わにしてしまった。新型コロナウイルスが猛威を振るうミシガン州ではアフリカ系アメリカ人が人口の14%にもかかわらず、亡くなった人の40%を占めている。多くの権利を奪われたアメリカ人が自分や家族の命を守るために必要な自由を奪われている」

「今回のパンデミックはアメリカン・ドリームとアメリカの現実に大きな差があることを示してしまった。建国宣言に記された理想と今のアメリカの違いをね」

彼は次のように続けている。「これが論説からの引用なんだけど、悪い思いにさせないことを願っているよ。でも、これだけ分かるのは、21世紀の始まりの今、パターソンやニュージャージー州の他の都市、ミシガン州、アメリカの地方、そしてこの国中で、こうした現実が害を与えていて、偉大なるマーヴィン・ゲイが言ったように、僕らは声を上げるべきなんだ」

この発言の後、ブルース・スプリングスティーンはマーヴィン・ゲイの“Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)”をかけている。

番組でブルース・スプリングスティーンは新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えるためには「思いやり」が必要だと強調している。

「今や70年間、アメリカで暮らしているけど、自分たちの理想に適わなかったことにしばしば落胆してきたことを認めざるを得ないね」とブルース・スプリングスティーンはナッシュヴィルのブラックリスト・ロイヤルズによる“The Promised Land”のカヴァーを紹介する際に語っている。

「でも言っておきたいのは、この国を素晴らしい民主国家にしたアメリカ人の中には常に存在する約束があるということを否定したことはないんだ。僕らが常に自分の気持ちや自分の夢の中に抱えているものだよね」

彼は次のように続けている。「私たちの気持ちと暮らしを一つにして、隣人への思いやり、社会的正義、自由、平等、理想のために闘えば、それこそが私たちの強さの存在する場所であることに気づくはずだ。ずっと夢見てきた人道的社会を作るために、それを自分たちの力と共に持つんだ」

「今は口に出しているだけだと、すべてが陳腐に聞こえるかもしれない。でも、行動に移せば、陳腐にはならないはずだよ」

番組でブルース・スプリングスティーンは自身の楽曲“New York City Serenade”やトゥパック・シャクールの“Dear Mama”をかけている。

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