Getty

Photo: Getty

イエスのベーシストであるクリス・スクワイアの訃報を受けて彼のかつてのバンド仲間が哀悼の意を捧げている。

クリス・スクワイアは、急性リンパ芽球性白血病で6月28日に亡くなっている。享年67歳だった。1968年にスクワイアとともにイエスを結成したシンガーのジョン・アンダーソンと、キーボーディストのリック・ウェイクマンが、スクワイアを偲ぶメッセージを公表している。

「クリスは自分の人生にとってとても大切な存在だった。音楽を通じた兄弟だったよ」とジョン・アンダーソンは自身の公式サイトに綴っている。「極めてユニークなベーシストだった。詩的でさ、ハーモニーに対して豊富な知識があったよ。まだ音楽がすごくオープンだった時代に彼と出会い、冒険心にあふれた素晴らしい音楽を彼と創作できたことは本当に幸せだったと思う。クリスはユーモアのセンスも抜群で……自分がダース・ベイダーで、俺のことをオビ=ワンだといつも言ってたよ。俺的には奴はクリストファー・ロビンで、自分はクマのプーさんだと思っていたけどね」

ジョン・アンダーソンとクリス・スクワイアは、”Yours Is No Disgrace”、”Starship Trooper”、”I’ve Seen All Good People”、”Owner of a Lonely Heart”など、数多くのイエスのヒット曲を共作している。「まだ踏み固められていない新たな道を二人で歩いてきた。一緒に音楽という山々を登ってこられたことに本当に感謝している」とジョン・アンダーソンは続けている。「何があろうとも、クリスは俺の兄弟だよ。奴と『再会(reconnect)できた』ことを本当にうれしく思っている。実は昨日の夜に瞑想中にクリスと会うことができたんだ。奴は満面の笑みを浮かべていたよ。彼の家族や彼が愛した人たちには心から同情するよ」

リック・ウェイクマンは、1971年発表のアルバム『Fragile / こわれもの』で初めてイエスに参加して以来、脱退と加入を繰り返し、通算5回のイエスへの参加経歴を持っている。彼も、長年のバンド仲間であるスクワイアへの別れの言葉を自身の公式サイトに投稿している。「自分にとって、クラシック・ロック界で二人目の偉大なベーシストを失ってしまった。一人はジョン・エントウィッスルであり、今度はクリス・スクワイアだ。まともなベーシストの中で、この二人のうちどちらか、もしくは両者から影響を受けなかった奴はいないだろう」と記している。

リック・ウェイクマンは、スクワイアが重い病にかかったと知ったとき、本人が「治療と愛と祈りによって、病に打ち勝つことができると楽観的でいる」というレポートを見て、勇気づけられたという。「クリスは、ベース・ギターをリード楽器に変貌させ新たな世界を創り上げ、自らのショウマンシップと演奏するすべての音へのこだわりを追究した。これが彼を特別な存在にしたのだ」とウェイクマンは続けている。

「クリスはこの世の人ではなくなってしまったけれども、彼の音楽はまだ残っているし、これを読んでくれているみんながいつかあの世に行ってしまったあとでも、彼の音楽は残り続けるだろう。まさにこれこそが音楽という素晴らしい贈り物だよ。この贈り物はそれを創ったものとともに伝えられていく。だからクリスは永遠に生き続けるんだ」

イエスは、今年の夏も来年にかけてもツアーの予定が組まれている。リック・ウェイクマンは最後にこう記している。「クリスが亡くなったというのは、ひとつの時代が終焉したということなんだ」

広告 【独占配信】エミー賞®史上最多18部門受賞の歴史的快挙!真田広之主演&プロデュース「SHOGUN 将軍」をディズニープラスで見る

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ