スリップノットのフロントマンであるコリィ・テイラーは2020年のアメリカ大統領選で共和党のドナルド・トランプ大統領が再選する可能性に言及して、対抗馬となる民主党の候補者たちが「大筋で合意」しない限り彼が再選することになるだろうと語っている。
ドナルド・トランプ大統領を度々批判してきたことで知られるコリィ・テイラーはアイルランド版『タイムズ』紙のインタヴューに応じて、ドナルド・トランプは今年の大統領選で再選すると思うかという質問に次のように答えている。
「そうはならないと言いたいけど、俺の予測は的外れだったからね」とコリィ・テイラーは応じて、前回の2016年の大統領選で民主党の候補だったヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに敗れたことに言及しながら次のように続けている。「ヒラリー・クリントンは誰であろうと負けることになっていたんだよ。彼女のことが好きな人たち以上に、彼女のことを嫌っていた人たちのほうが多かったんだからね。ヒラリー・クリントンは20年以上にわたって人々から好ましく思われていなかったんだ」
「人々はトランプがどうしようもない能なしだからこそ、彼に共感するんだよ。多くの人々が彼に投票したのはそういう理由なんだ。共和党はとっくの昔に学んでいるのに、民主党がいまだ学べていないことがあってね。それは、候補者が誰であれ、投票してもらうことに重点を置くということなんだ。民主党はまだこのことを学べていないんだよ。彼らは自分たちが他の人たちよりも賢いと思っているからね」
コリィ・テイラーは次のように続けている。「トランプという魔物の存在を知りながらも、ヒラリー・クリントンには絶対投票したくないと言っていた人たちがいたほどでさ。トランプは民主党の責任でもあるんだ。トランプの台頭は、やらねばならないことから人々が目を背けている結果なんだよ」
大統領選の民主党候補者たちの名前を挙げながらコリィ・テイラーは次のように続けている。「バーニー・サンダースであれ、ジョー・バイデンであれ、エリザベス・ウォーレンであれ、候補者が誰であったとしても、候補者たちが民主党として大筋で合意して投票してもらおうとしない限り、次の4年もトランプになってしまうよ。トランプを阻止できるかは、政権をひっくり返すことができるかにかかっているんだ。もしも民主党が政権をひっくり返せれば、少なくとも次の4年はトランプを阻止できるわけだからね」
コリィ・テイラーは続けて、これまでリベラルな思想を持ったハリウッドの著名人を批判してきたこともあることに言及して、偏見や差別の撤廃をポリティカル・コレクトネスで厳しく追及するアメリカにおける「ウォーク・カルチャー」のあり方にも苦言を呈している。
コリィ・テイラーは次のように語っている。「俺が奴らに反論したのは、何もかもを怒りに持ち込もうとしてしまっているからでね。コメディアンたちがやっているような論争と同じだよ。自由も皮肉もないんだ。何もかもが額面通りに受け取られて、文脈から外され、すべてが攻撃的であるかのように扱われるんだよ」
「すべてが攻撃的というのはつまり、何も攻撃的でなくなってしまうということだからね。問題はそこなんだ。トランプが野放しになっているのはそういう理由なんだよ」と彼は続けている。
「人々は常に、あらゆることに対して同じような怒りを向けているわけでさ。それこそが、今のアメリカの文化におけるすべてに広がってしまっている雰囲気の大元にあるものなんだ。トランプの弾劾を誰も深刻に捉えていないのはそういう理由なんだよ。人々はジョークの一つにも如何わしい表現を見つける度に憤っているわけでさ。ウンザリしてるよ」
スリップノットは現地時間1月14日にダブリンの3アリーナからUK/アイルランド・ツアーをスタートさせている。
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