ニルヴァーナはスマイリー・フェイスをめぐってのマーク・ジェイコブスと係争中の裁判で、マーク・ジェイコブス側から反訴されたと報じられている。
ニルヴァーナは11月15日、訴訟の取り下げを求めるマーク・ジェイコブス側の主張が判事によって棄却され、裁判が継続することが明らかになっていた。
マーク・ジェイコブスはTシャツのデザインがニルヴァーナの象徴的なスマイリー・フェイスに類似しているとして、ニルヴァーナから昨年12月に訴訟を起こされている。
Tシャツはマーク・ジェイコブスの「リダックス・グランジ・コレクション」として発表されたもので、加工されたスマイリー・フェイスが使用されている。このヴァージョンは、目の部分に「X」が描かれていたニルヴァーナのそれとは異なり、ブランドのイニシャルである「M」と「J」の文字が描かれたものとなっているほか、スマイリー・フェイスの上には「HEAVEN」という文字がニルヴァーナと類似したフォントでデザインされている。
訴状の中で、ニルヴァーナ側はマーク・ジェイコブスに対して著作権の侵害やデザインの偽装表示、商標権の侵害、不正競争を行っていると訴えているほか、マーク・ジェイコブスが当該のロゴを使用することで、「ニルヴァーナが実際は支持をしていないにもかかわらず、人々に対して彼らが『ブートレグ・リダックス・グランジ』コレクションを全面的に支持しているかのような誤解を与えてしまう」とも主張している。
今回、マーク・ジェイコブス側はスマイリー・フェイスを制作したカート・コバーンが亡くなっていることなどを理由にニルヴァーナ側に新たに反訴している。
マーク・ジェイコブスは訴状で次のように述べている。「問題になっている著作物の制作について直接知っている人物が現存していないことや、ニルヴァーナによる著作権侵害の訴訟の根拠となっている(登録番号VA0000564166に由来する)“166登録”についても靴家の欠陥があることが、今回の反訴の根拠となっています」
先日、カリフォルニア中央地区連邦地方裁判所のジョン・クロンシュタット判事は、マーク・ジェイコブス側には訴訟を退けるだけの十分な根拠がないとして、ニルヴァーナ側の主張を認めて裁判を継続するという判決を下していた。判決文の中で、彼はニルヴァーナのTシャツと問題になっているマーク・ジェイコブスのTシャツの唯一の「明白な違い」は目に「X」が2つ描かれているか、「M」と「J」が描かれているかの差異でしかないと述べている。
また、ジョン・クロンシュタット判事はマーク・ジェイコブスのTシャツについて「著作権の保護対象となる(スマイリー・フェイスの)アートワークに加えて、黒い背景に黄色い線で描かれているという点や、シャツにプリントされたイメージの上に描かれている文字のフォントや位置が類似している点など、ニルヴァーナのTシャツに見られる他の顕著な要素が組み合わされたものになっている」と述べている。
「使われたマークが特徴的であるかどうかが、人々に誤解を与えるかの決め手になるわけではありません。人々に誤解を与えるかどうかについては、『全体的に』似通っているかどうかという点にかかっています……ある差異が『このマークを違うものにしている』と示したとしても、それが問題を解決するわけではないと調査は結論づけるかもしれないのです」
マーク・ジェイコブス側は以前、訴訟の取り下げを要求する際に当該のデザインについて「1990年代に発表されたかつてのニルヴァーナのライヴ・Tシャツにインスパイアされた」ものであることを認めている。一方で、自社のTシャツは独自のものであり、スマイリー・フェイスについてはマーク・ジェイコブスを表す「M」と「J」を目に見立てたものになっているとして、「再解釈したものだ」と主張していた。
先月、カート・コバーンはニルヴァーナとして出演した『MTV アンプラグド』で着用していたカーキ色のカーディガンが33万4000ドル(約3630万円)で落札されている。
20万ドル(約2170万円)から30万ドル(約3260万円)の間という想定価格を上回る33万4000ドルで落札されることとなったこのカーディガンだが、オークションを主催したジュリアン・オークションによれば、33万4000ドルという落札価格はオーディション史上、カーディガンに付けられた最も高額な落札価格だという。
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