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グライムスは新たなインタヴューでテクノロジーの発達がライヴ・ミュージックにもたらす影響について語っている。

現在は光速を表す普遍定数であるcとも表記されるグライムスはポッドキャスト「ショーン・キャロルズ・マインドスケープ」に出演して、「現実の世界なんて誰も求めていない」としてライヴ産業の様相は変わることになるだろうと語っている。

「ライヴ・ミュージックは近いうちに時代遅れで様変わりすると思うわ」と彼女は語り、次のように続けている。「リアルなミュージシャンよりもDJたちのほうが報酬を得ているわけでね」

「インスタグラムとか、そういうものと一緒よ」と彼女は続けている。「人々はクリーンで洗練された、偽物の世界に引き寄せられているの。誰もが見せかけの世界を望んでいるのよ。現実の世界なんて誰も求めていないわけ。自分たちはそうじゃないと思い込んでいたとしても『ライヴ・ミュージックってクールだよね!』って言ったところで、実際の数字を見れば、人々は煌びやかで完璧なフォトショップの世界に引き寄せられているわけでね」

通算5作目となるニュー・アルバム『ミス・アンスロポシーン』を2月21日にリリースすることを発表しているグライムスは続けて、自身はライヴで演奏することがあまり好きではないとして、そうした変化については歓迎だと語っている。

「パフォーマーとして、私は大勢のオーディエンスの前で失敗したくないと思っているの」と彼女はショーン・キャロルに語っている。一方で、物理的な音楽機器を使用することやその利便性については、人工知能が人類の知能を超える「シンギュラリティが5年から10年以内に訪れて、何も必要じゃなくなる」世の中になっていくように感じているとしながらも、次のように語っている。「今あるものの中には、ハードウェアがなければ、いい音が鳴らないものもあるけどね」

また、現在31歳のグライムスはAIの技術によって「人間の手による芸術の終焉」が訪れる可能性についても言及している。「AGI(汎用人工知能)が台頭してきたら、私たちよりもはるかに素晴らしい芸術作品が作られるようになると思うわ。AIが科学や芸術を修得したらすぐにね。それは今後10年で起こることかもしれないし、20年から30年はかかることかもしれない」

グライムスはインタヴューの中で、現在取り組んでいるという「ウォー・ニンフ」という仮名が付けられているデジタルのアバターについても語っているほか、来たるニュー・アルバムについても言及して、新作について「制約を破るという姿勢に立ち返った」と語っている。

グライムスは2015年発表の前作『アート・エンジェルズ』について「男の子をからかえることを示す」ために作ったものだとして、「男性優位」なプロデュースの世界において自分の能力を証明するためのチャレンジとしての作品だったと語っている。

「あのアルバムでは、自分が望んでいた以上にルールに縛られながらやってしまっていたの」と彼女は語り、新作『ミス・アンスロポシーン』については「間違いなく最高の作品」になっているとし、「他の音楽と同じようには聴こえない」ものになっていると語っている。

先週、グライムスは新作からの新曲となる“So Heavy I Fell Through the Earth”の2つのバージョンの音源を公開している。

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