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ニルヴァーナは著作権をめぐって昨年の12月にマーク・ジェイコブスを相手取って訴訟を起こしていた件で、訴訟の取り下げを求めるマーク・ジェイコブス側の主張が判事によって棄却され、裁判が継続することが明らかになっている。

マーク・ジェイコブスはTシャツのデザインがニルヴァーナの象徴的なスマイリー・フェイスに類似しているとして、ニルヴァーナから昨年12月に訴訟を起こされている。

Tシャツはマーク・ジェイコブスの「リダックス・グランジ・コレクション」として発表されたもので、加工されたスマイリー・フェイスが使用されている。このばーじょんは、目の部分に「X」が描かれていたニルヴァーナのそれとは異なり、ブランドのイニシャルである「M」と「J」の文字が描かれたものとなっているほか、スマイリー・フェイスの上には「HEAVEN」という文字がニルヴァーナと類似したフォントでデザインされている。

訴状の中で、ニルヴァーナ側はマーク・ジェイコブスに対して著作権の侵害やデザインの偽装表示、商標権の侵害、不正競争を行っていると訴えているほか、マーク・ジェイコブスが当該のロゴを使用することで、「ニルヴァーナが実際は支持をしていないにもかかわらず、人々に対して彼らが『ブートレグ・リダックス・グランジ』コレクションを全面的に支持しているかのような誤解を与えてしまう」とも主張している。

カリフォルニア中央地区連邦地方裁判所のジョン・クロンシュタット判事は今回、マーク・ジェイコブス側には訴訟を退けるだけの十分な根拠がないとして、ニルヴァーナ側の主張を認めて裁判を継続するという判決を下している。判決文の中で、彼はニルヴァーナのTシャツと問題になっているマーク・ジェイコブスのTシャツの唯一の「明白な違い」は目に「X」が2つ描かれているか、「M」と「J」が描かれているかの差異でしかないと述べている。

また、ジョン・クロンシュタット判事はマーク・ジェイコブスのTシャツについて「著作権の保護対象となる(スマイリー・フェイスの)アートワークに加えて、黒い背景に黄色い線で描かれているという点や、シャツにプリントされたイメージの上に描かれている文字のフォントや位置が類似している点など、ニルヴァーナのTシャツに見られる他の顕著な要素が組み合わされたものになっている」と述べている。

彼は次のように続けている。「使われたマークが特徴的であるかどうかが、人々に誤解を与えるかの決め手になるわけではありません。人々に誤解を与えるかどうかについては、『全体的に』似通っているかどうかという点にかかっています……ある差異が『このマークを違うものにしている』と示したとしても、それが問題を解決するわけではないと調査は結論づけるかもしれないのです」

マーク・ジェイコブス側は以前、訴訟の取り下げを要求する際に当該のデザインについて「1990年代に発表されたかつてのニルヴァーナのライヴ・Tシャツにインスパイアされた」ものであることを認めている。一方で、自社のTシャツは独自のものであり、スマイリー・フェイスについてはマーク・ジェイコブスを表す「M」と「J」を目に見立てたものになっているとして、「再解釈したものだ」と主張している。

先月、カート・コバーンはニルヴァーナとして出演した『MTV アンプラグド』で着用していたカーキ色のカーディガンが33万4000ドル(約3630万円)で落札されている。

20万ドル(約2170万円)から30万ドル(約3260万円)の間という想定価格を上回る33万4000ドルで落札されることとなったこのカーディガンだが、オークションを主催したジュリアン・オークションによれば、33万4000ドルという落札価格はオーディション史上、カーディガンに付けられた最も高額な落札価格だという。

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