エミネムは情報公開法によって開示された文書の中で、ドナルド・トランプ大統領やその娘のイヴァンカ・トランプを「脅迫する歌詞」を書いているとしてシークレット・サービスの調査を受けていたことが明らかになっている。
米「バズフィード」は昨年、エミネムについて彼が2018年にサプライズでリリースしたアルバム『カミカゼ』に収録されている“The Ringer”で言及しているように、実際にシークレット・サービスの調査を受けたことはあったのかとする質問を政府に行っている。
エミネムは“The Ringer”で「エージェント・オレンジ(ドナルド・トランプ大統領)がシークレット・サービスを送ってきたんだ/俺が本当に彼を傷つけようとしているのか確かめるためにな」とラップしている。また、2017年のBETアウォーズで披露したフリースタイルや同年のアルバム『リバイバル』に収録された“Framed”の歌詞も調査対象となっていたという。
米「バズフィード」が入手した文書によれば、シークレット・サービスはエミネムについて「警護対象者を脅かす」ような「不穏な振る舞い」をしていると考えていたという。この調査は「TMZ」の従業員がエミネムの歌詞についてシークレット・サービスに連絡を入れたことから始まったとされている。
編集後のシークレット・サービスによる文書には次のように記されている。「この楽曲は殺人について思い出そうとするもので、特定の歌詞で『無実』を訴えています。『ドナルド・ダックがテレビに出てて、庭にはトンカのトラック。けど、どうして車のトランクにはイヴァンカ・トランプがいるんだ?……このブロンド女に関してはいくらか俺にも責任がある。なあ、新体操のバトンは池に捨てておいてくれよ。記憶にない二度目の殺人だ』」
文書には次のような一節も含まれている。「(エミネムの本名であるマーシャル・)マザーズが米国大統領やその家族のことを脅迫したのは今回が初めてではありません。マザーズは2017年6月、米国大統領に向けてフリースタイルで脅迫的な言及をしています」
エミネムはそのフリースタイル・ラップについてシークレット・サービスから尋問を受けていたことも明らかになっている。「マザーズはその楽曲のことを覚えており、調査員が読み上げる歌詞に合わせてラップしました」と文書には記されている。
「調査の最後に、エージェントはあらゆる質問に答えることを申し出ました。追加の質問は政府直下のシークレット・サービスと広報課に送られることも説明しています。その後、エージェントの付き添いのもとで弁護士はマザーズの事務所から退出しました」
文書によれば、エミネムには最終的に「連邦検事に『持ち上げられる』べき案件ではないとの決定が下された」と記されている。
エミネムは2017年にヘッドライナーとして出演したレディング&リーズ・フェスティバルのステージでもアメリカの政情に言及しており、彼は観客に次のように語りかけている。「いいか、レディング。俺はこのステージを政治のためのプラットホームに使うつもりはないけど、ドナルド・トランプのクソ野郎には我慢ならないんだ」
エミネムはコール&レスポンスを煽って次のように続けている。「俺が『ファック』と言ったら、『トランプ』と言ってくれ。ファック・トランプ! ファック・トランプ!」
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