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デュア・リパはクリエイティヴ業界におけるメンタル・ヘルスのケアを向上させるよう訴えている。

デュア・リパらが所属するマネージメント会社であるタップ・ミュージックは現地時間10月3日、メンタル・ヘルスの問題を周知する活動を行っているピアツーピアのオンライン・サイトである「マイ・ブラック・ドッグ」と、自殺防止の支援団体である「キャンペーン・アゲインスト・ リヴィング・ミザリー(CALM)」の2つのチャリティー団体に10万ポンド(約1400万円)を寄付する計画を発表している。

デュア・リパはメンタル・ヘルスの問題を周知することの重要性について次のように語っている。「音楽は人を幸せにする力を持っているのに、ミュージシャン本人たちは対照的にメンタル・ヘルスの問題に苦しまなければいけないなんて、あまりに皮肉よね」

彼女は次のように続けている。「私もこの業界からたくさんの恩恵を受けてきたけど、周囲の人たちが苦しそうにしているのを日常的に見てきたわ。失敗や孤独への恐れだったり、特に女性のアーティストに多いこととして、ソーシャル・メディアに対する大きな不安に苦しんでいたりするの。音楽業界はアーティストのメンタル・ヘルスの問題について、真剣に捉え始めるべき時だと思うわ」

「ショックだったのが、芸術を仕事にしている女性たちが自殺をする割合が、一般的な割合よりも約70%も高いということよ。個人的な経験から、女性たちがソーシャル・メディアで厳しい目に晒されるのは知っているわ。メンタル・ヘルスは私たちの世代における問題で、そろそろ音楽業界もこのことに気がつくべきよ。この問題を周知しながら資金を集め、悲劇として警鐘を鳴らしている私のマネージメント・チームのことを誇りに思うわ」

プロフェッサー・グリーンことスティーヴン・マンダーソンを初めとしたタップ・ミュージックに所属する他の多くのアーティストもキャンペーンへの支持を表明しており、スティーヴン・マンダーソンは次のように述べている。「僕にとって、音楽はいつだって自分を浄化してくれるようなものだった。幼い頃から、音楽は僕にとっての現実逃避の手段で、周囲の雑音をかき消してくれていたんだ。次第に音楽が自分の内面を表現するための手段になっていった中で、そうした表現を通じて自分を解放してくれていたものが、スケジュールや限られた睡眠時間に縛られることになり、不幸で孤独な場所に変わっていってしまうことがあるんだ」

「とりわけ仕事の場を初め、メンタル・ヘルスに関する議論がしきりになされている中で、僕も自分と同じような状況に置かれているたくさんのアーティストたちと話をすることができた。必要としている人たちのために、支援の場を提供する方法を見つけるべき時なんだ」

タップ・ミュージックの従業員らはチャリティ活動の実施に先駆け、友人や家族を自殺で亡くした個人的な体験を明かしている。現地時間10月4日、タップ・ミュージックは最初のチャリティ活動として、ロンドンからパリまでを自転車で24時間以内に移動するというイベントを行っている。

タップ・ミュージックは今週、多くのレコード会社や音楽業界の主要企業らが参加して、トーナメント形式の5つのサッカー大会を開催する予定になっている。

タップ・ミュージックの共同設立者であるベン・モーソンは次のように述べている。「今年に入り、2週間の間に近しい友人を2人自殺で立て続けに亡くしたことを受け、命を救うための素晴らしい取り組みを行っている2つの魅力的なチャリティーの周知や、資金調達を助けるための試みを行いたいと思ったのです」

「UKでは昨年、1週間に平均で100人を超える人が自殺で亡くなっており、自殺があまりに一般的なものになってしまっていることにショックを隠せませんでした。支援の手が適切に差し伸べられていれば、その多くは避けることができたかもしれませんし、悲劇というほかありません」

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