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ザ・1975のフロントマンであるマット・ヒーリーは環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリについて「これまでの人生で出会ってきた中で最もパンクな人」だと称賛している。

グレタ・トゥーンベリは気候変動に抵抗する抗議運動において世界的な顔となっていて、9月23日にはニューヨークで開かれた国連の温暖化対策サミットでスピーチも行っている。ザ・1975は2020年2月21日にリリースされる来たるニュー・アルバム『ノーツ・オン・ア・コンディショナル・フォーム(原題)』でグレタ・トゥーンベリとコラボしており、同作には彼女のスポークン・ワードによる楽曲“The 1975”が冒頭に収録される。同曲の収益はすべて気候変動に抗議する運動「エクスティンクション・レベリオン」に寄付されることが発表されている。

マット・ヒーリーは彼女と一緒にいた時のことを振り返り、現在16歳の彼女について「スターとして敬愛する数少ない内の1人」だと語っている。

「彼女は象徴的な存在という点でも有名になったわけでさ」とマット・ヒーリーはオーストラリアのニュース・サイト「ペデストリアンTV」に語っている。「そう、ガンジーのような有名さでポスターになったりしているわけでさ。だから、スタジオで彼女と初めて会った時に、その時はすりガラス越しで、彼女の輪郭を確認できただけだったんだけどね。けど、(ガンズ・アンド・ローゼズの)スラッシュが言うように、『本当の意味での象徴的な存在であるということはシルエットだけで気づかれる』ということでね」

「彼女はシルエットだけでも分かったんだよ。すごく力を持った人だと思ったね」

マット・ヒーリーは次のように続けている。「グレタは俺がこれまでの人生で出会ってきた中で最もパンクな人物だよ。彼女と会った時に、彼女は『アンチ・ファシスト・オール・スターズ』って書かれたTシャツを着ていてね。なにも、それは『アンティファ(※極右団体に暴力で抵抗する人々)』みたいなことではなくてね。彼女は暴力を支持しているわけではないけど、大胆なところがあるんだよ。俺もそういうところが根っこにあるからね」

マット・ヒーリーは続けて、気候変動に対する見解について彼女によって変えられたことを認めている。「悲観的まではいかないにせよ、現在の状況に対して後ろ向きな見方をしていたんだ。なかばニヒリスティックになっていて、『しょうがないよ。俺たちはもうダメだ』という感じだったんだよね」

「そこから彼女と会ったんだけどさ。その信念や彼女と話して感じるものという点で彼女は最も真剣な人物だったわけだけど、少し希望のようなものが残ったんだ。分かるよね?」

マット・ヒーリーは以前『NME』とのインタヴューでバンドを「偽善的」だと批判する人々に対して次のように語っている。「何もしないよりは100%支持されなくても、偽善的だって批判されるほうがマシだね。この惑星で最も切迫した問題について何も声を上げないようなアーティストになるくらいなら、シャンパン社会主義者って呼ばれたほうがはるかにマシだよ。みんな『自分の車(で二酸化炭素を排出していること)はどうなんだよ?』って感じなんだけどさ。面白いことに、俺はもう車を持っていないんだ。ロンドンで電動キックスクーターや電動自転車に乗ったりはしているけどね。それから個人的な活動としても、できることをやっているわけでさ。まあけど、失せろっていう感じだよ。自分のことを気にかけろよっていうさ」

彼は次のように続けている。「ザ・1975が旅客機を使ってどこかの国へ行き、ポジティヴなメッセージを広めることが世の中を炎上させる理由にはならないと思うんだ。ザ・1975で大変なのは、意識の高いカルチャーがフェチ化されてしまうことでね。見せびらかしているようにならずに、自分たちのやってることを示すのが難しいんだ。俺たちは(輩出した分の温室効果ガスの埋め合わせをする)カーボン・オフセットもやったし、ツアーではプラスチックを使うことなく、包装でもプラスチックを使ってこなかったし、ゲストリストに載せた人たちからはお金を取るようにして、それを植林活動のためのチャリティに回してきたんだ」

「俺たちはカルチャーの面でも有効な存在であるために、最も社会的に責任のある方法で物理的にあらゆることをやっているわけでね。これは自分のためにやっているわけでさ。1人1人に説明する必要なんてないんだよ」

ザ・1975は自分たちのツアーを環境に優しいものにするための取り組みを行っており、廃棄を削減するために古いバンドのマーチャンダイズを再利用した新たなTシャツも販売されている。

グレタ・トゥーンベリはザ・1975の新曲に参加したことについて次のように述べている。「新たな方法で多くの新しい聴衆に自分のメッセージを届ける機会を与えてもらえたことに感謝しています。ザ・1975が気候変動の危機に力を入れて取り組んでいることは本当に素晴らしいことだと思います。私たちは社会の中で様々に枝分かれしているすべての人々を早急に取り込む必要があるのです。今回のようなコラボレーションは新しい取り組みになると感じています」

先日、ザ・1975は2020年にUKとアイルランドで大規模なアリーナ・ツアーを行うことを発表している。

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