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エミネムは“Lose Yourself”や“Stan”を初めとした自身の200曲を超える楽曲を無許可で配信しているとして、音楽出版社がスポティファイを提訴したことが明らかになっている。

「ハリウッド・レポーター」によれば、エミネムの初期のカタログ音源の権利を保有するエイト・マイル・スタイルは現地時間8月21日にスポティファイを相手取って訴訟を起こしたという。一方で、エミネム自身はこの件に関与しておらず、彼のパブリシストは『ザ・ヴァージ』に対し、エミネムや彼のチームも「皆さんと同じく今回の報道にただただ驚いています」とコメントしている。

エイト・マイル・スタイルはスポティファイがエミネムの243曲の楽曲を配信する許可を得ていないとした上で、それらが獲得してきた「数十億回」ものストリーミング再生に対する報酬を支払うことなく配信を続けてきたと主張している。「スポティファイはその代わりとして、再生回数のほんの一部を賄うようなある程度の報酬のみを支払っているのです」と訴状では述べられている。

エイト・マイル・スタイルはスポティファイの企業価値や260億ドル(約2兆7000万円)にのぼる同社の時価総額に言及して、「これらの報酬は棚ぼた式にスポティファイの株主たちのポケットに入ることなりましたが、彼らは楽曲を無許可で配信していることを知ることなく、無許可のままで企業を経済的に急成長させることを優先したのです」と述べている。

「特筆すべきは、ユーザーたちを呼び込んでスポティファイの企業価値を唯一高められる資産であるはずの楽曲の持ち主である、エイト・マイル・スタイルを初めとした音楽出版社やエミネムのようなソングライターたちに対し、この数十億ドルもの報酬が分配されていないということです」

エイト・マイル・スタイルは2002年公開の映画『8 Mile』のサウンドトラックに収録された全米1位のシングル“Lose Yourself”を例に挙げ、「スポティファイが故意に違反していることを示す言語道断極まりない一例」だと述べている。エイト・マイル・スタイルはスポティファイが“Lose Yourself”を著作権の保有者が不明だとする「コピーライト・コントロール」のカテゴリーに入れていることを指摘して、スポティファイについて自身が同曲の著作権の保有者であることを「確実に知っていたはず(もしくは、簡単に知ることができたはず)」だと主張している。

エイト・マイル・スタイルが指摘している243曲の中には“Lose Yourself”のほか、“Mockingbird”や“”Stan”、“Without Me”、“The Real Slim Shady”などが含まれている。

エイト・マイル・スタイルはスポティファイに対して訴訟にかかった費用の支払いのほか、楽曲のストリーミング再生で得た「莫大な」利益、もしくは1曲につき15万ドル(約1600万円)か総額で3645万ドル(約38億円)の支払いを求めている。スポティファイがこれらの楽曲の配信で得た利益の具体的な金額は今後の裁判で明らかになると見込まれている。

エイト・マイル・スタイルの弁護人はリチャード・ブッシュが務めており、彼はロビン・シックらによって書かれた楽曲“Blurred Lines”に対する2016年の訴訟でマーヴィン・ゲイの遺族の勝利を勝ち取った弁護士として知られている。また、リチャード・ブッシュはザ・スクリプトがジェイムス・アーサーの“Say You Won’t Let Go”について自身の“The Man Who Can’t Be Moved”を盗作していると訴えた裁判でもバンドの弁護士を担当している。

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