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ザ・フーのロジャー・ダルトリーはバンドのニュー・アルバムに取りかかる際にピート・タウンゼントに怒らせてしまったことを明かしている。

ザ・フーは現在、2006年の『エンドレス・ワイアー』以来となるバンドの新作に取り組んでおり、先月ロジャー・ダルトリーは来たる新作について『四重人格』以来最高の出来になっていると語っていた。今回、彼は新作に取り組んだ経緯を改めて語っている。

「ピートが12曲デモを送ってくれたんだ」とロジャー・ダルトリーは『アンカット』誌に語っている。「その中に4曲か5曲、あんまり好きじゃないのがあったんだけど、ピート・タウンゼントのソロ・アルバムとして出すなら素晴らしいと思ってね。彼にもそう話したんだ。そしたら彼は凄く怒ってしまってね!『お前のために書いたんだよ!』と言ってきたから、僕はこう伝えたんだ。『ピート、僕は自分がどうすればこの曲をもっと良くできるか分からないんだ』ってね。自分が入り込めるか見えてこなかったんだよね 」

ロジャー・ダルトリーは、自分が変えるべきだ思う部分に手を加えることを認めてもらってからは曲の印象も良くなり始めたと明かしている。「それで徐々にだけど確実に曲に入り込めるようになったんだ」と彼は語っている。「ピートも含めて誰も分かってなかったんじゃないかと思うんだけど、僕が彼の曲でやっていることって全然簡単なものじゃないんだ。曲になりきる必要があるんだよ。表現しきれるようになるまで曲を変えていく必要があるかって? その通りだね。心から歌えなきゃ駄目で、頭で歌うことはできないんだ。心から歌えるようになって初めて、その歌詞で感動を与えることができるわけでね。そうなるように時々歌詞を変えたりしなきゃならないんだ」

ロジャー・ダルトリーはヴォーカル・トラックをレコーディングする際は一度に3時間以上は歌わないようにしていたという。「そういう期間には自分の声をくたびれさせないようにしているんだ」と彼は語っている。「レコーディングのときは自分が画家になったような感じでやるのが好きなんだ。スケッチしておくんだよ。まず軽く音を載せてみて、放っておいて、しばらくそうやっているんだ。そうしてすべての下絵を完成させておいたある日、腰を据えて、全部仕上げるんだ」

「ピート・タウンゼントのアルバムとして出すより、遥かに素晴らしいザ・フーのアルバムになったと言わねばならないね! みんながザ・フーにこれ以上何を求めているかは知らないけどさ。でも曲は最高だよ」

彼はさらに、ピート・タウンゼントは今でも自分にとって「一番好きなギタリスト」だと語っている。「他の連中もテクニシャンだし、優れいているよ。早弾きしたり、技巧を凝らしたりしてさ。でもピート・タウンゼントは常にオリジナルな存在なんだ。僕にとってはそれがすべてなんだ。彼はいつだって研究しているんだよ」

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