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レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークは来たるソロとしてのニュー・アルバム『ANIMA』の制作過程やそのインスピレーションなどについて語っている。

トム・ヨークは「Beats 1」のゼイン・ロウの番組に出演して、6月27日にリリースされる新作『ANIMA』に政治的/哲学的概念が与えた影響や映画『サスペリア』のサウンドトラックなどについて語っている。

トム・ヨークは『ANIMA』について「アンチ・ミュージック」というコンセプトをもとに比較的短い期間で制作したアルバムだとして次のように語っている。「ほとんどの楽曲が、何年も前から書き溜めていたものでね。面白いことにすぐに完成したんだ。ライヴをやる時のようにほとんどの曲を準備して、完成させたんだよ」

「とても楽しかったよ。すぐに、それも簡単にできてしまったからね。長い間持っていたものということもあって、自分たちの向かうべき場所が分かっていたんだ。『たくさんの曲を作りたいわけじゃない。僕はただ音が作りたいんだ』っていうセラピーにもなったし、よかったよ。かつてのミュジーク・コンクレートやそういったアンチ・ミュージックに没頭している自分がいてね。とてもよかったよ。最高だったね」

「最終的に『ANIMA』という名前になった理由の一つとして、僕が夢というものに魅了されていたということがあると思うんだ。(心理学者の)ユングの夢分析に影響を受けたものなんだけどね。それから、僕らはデバイスに言われたことに従うようになり始めていて、振る舞い方まで真似するようになってしまったという現状もある」

「(英・保守党党首選に立候補している)ボリス・ジョンソンが口からでまかせを言っているのだったり、彼が絶対に実現しないことを約束するのを見ていられるのは、直接繋がっているわけではないからなんだ。小さなアバターを通して見ているわけでね。馬鹿みたいな髪型をした小さい男が旗を振っているのを見ながら、『分かったよ、面白いね』っていうことを言っていられるっていうさ。それがもたらす結果はリアルじゃない。僕らがやることのすべてはリアルな結果を生み出さないんだ。匿名のままでいられるからね。アバターを送り込んで罵倒したり毒を吐いたりした後で、すぐに匿名に戻ることができるんだ」

トム・ヨークは現在の政治情勢に言及して、変化をもたらすには「根本的な構造的変化が必要だ」と語っている。

トム・ヨークは次のように語っている。「根本的な構造的変化がない限り、物事は変わらないという考えを持つしかないわけでね。こんなにもたくさんの道化師たちがいる時代にそれを実現させるには、怒りを持つことでしかできないんだよ」

「(傍若無人な主人公の破天荒な振る舞いを描いた人形劇である)『パンチとジュディ』のようなことがアメリカで起きているし、どうやらイギリスの政治でも同じことが起きているみたいだからね。この状況が崩れた時に、(アメリカ史上最年少の女性下院議員となった)アレクサンドリア・オカシオ=コルテスのような人がやって来て、こう言ってくれるんだ。『さて、始めましょうか』ってね。僕はそう考えているよ」

トム・ヨークはルカ・グァダニーノが監督を務めた映画『サスペリア』のサウンドトラックについても言及して、その制作過程について語っている。「あれはまた違ったアルバムだったね」とトム・ヨークは語っている。「監督のルカが僕をこれまでやったことのない領域に追い込んで、夢にも思わなかったような楽曲を僕に作らせたんだ。とてもよかったね。ものすごくクールだった」

「映画の中核になっているダンスのシーンがあるんだけど、僕はそれに何ヶ月も頭を悩ませていたんだ。一度は突破口を見つけるんだけどさ。自分が求めているものは分かるんだけど、それが見つからないんだ。他に選択肢はなくて、そこを起点に考える必要があるんだよ」

トム・ヨークは続けて、ワークライフ・バランスの取り方や自身の野心についても言及して、「いいものを作り続け」てクリエイティヴ面でのカタルシスを見つけることにしか野心を持っていないと語っている。

「僕は野心的なわけじゃない。いいものを作り続けたいっていう野心があるだけさ。それだけだよ。本当にそうなんだ。僕にはそれしかない。それさえあればいいんだ」

彼は次のように続けている。「とても忙しくしていると思うけど、自分ではこれが気に入っている……バランスを取りながら楽しめているよ……20年前や15年前よりも楽しめているんじゃないかな。当時の作品と同じくらいに興味深いものになっていることを願っているよ。僕が気にかけているのはそれだけだね」

「人生のバランスを取る上で、可能な限りはいろいろな物事から離れて休むようにしているんだ。子供の頃には自分が見たものや経験したことを、仕事や音楽、作詞なんかを通じて消化していた。僕はそういうふうに物事を見ていたんだ。僕の子供たちもそうだよ。2人ともそんな感じなんだ。嬉しいことだよ。ある意味では、今もそれができていることに感謝だね。まだ生きているっていうことだからさ」

『ANIMA』は6月27日にリリースされる。

リリースの詳細は以下の通り。

label: XL RECORDINGS/BEAT RECORDS
artist: THOM YORKE
title: ANIMA
release date: 2019/07/17 WED
国内盤CD XL987CDJP ¥2,500+税
高音質UHQCD/限定アートカード3枚、歌詞、解説封入
1. Traffic
2. Last I heard (…He Was Circling the Drain)
3. Twist
4. Dawn Chorus
5. I Am a Very Rude Person
6. Not the News
7. The Axe
8. Impossible Knots
9. Runwayaway

※公開後、記事を修正しました。

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