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デヴィッド・ギルモアがピンク・フロイドのヒット曲で使用したフェンダーのストラトキャスターがギターのオークション落札額の世界記録を樹立している。

今年1月、デヴィッド・ギルモアは人々に「楽しみを与え」、なおかつ重要な目的の資金を集めるために120本を超える自身のギター・コレクションをオークションに出品すると発表していた。

「これらのギターは僕にとってすごく素晴らしいものだったんだけどね」と彼は語っている。「これらは僕の友人なんだ。たくさんの音楽を与えてくれた。でも、僕の元から去って、誰か他の人に持ってもらう時だと思ってね。僕とは多くの時間を共に過ごしたからね。そして、もちろん、これらが集めるお金は世の中のためにものすごく役に立つだろうし、それが僕の目的なんだ」

現地時間6月20日、これらのギターのオークションが競売大手「クリスティーズ」で行われている。“Comfortably Numb”、“Money”、“Shine On You Crazy Diamond”といった楽曲で使用されたことでしられる1969年製ブラックのフェンダー・ストラトキャスターは、世界記録となる397万5000ドル(約4億2700万円)で落札されている。このギターはデヴィッド・ギルモアのソロ・キャリアでも愛用され、1978年のセルフ・タイトルのソロ・デビュー作を始め、『狂気のプロフィール』『オン・アン・アイランド』『飛翔』で演奏を聴くことができる。

このギターは「ブラック・ストラト」という愛称で知られ、ネック、電気系統、外装など、長年にわたり非常に多くの改造が施されたことで知られている。

「ブラック・ストラト」は1970年にニュー・ヨークで購入されて以来、デヴィッド・ギルモアと最も縁の深いギターとなっている。今回のオークションにあたってデヴィッド・ギルモアが「ブラック・ストラト」について語る音声が公開されている。

音声はこちらから。

今回のオークションではマーティンの1969年製D-35アコースティック・ギターも109万5000ドル(約1億1800万円)で落札されている。このギターは1971年以降、彼のメインのスタジオ用ギターとなり、『狂気』の作曲やプリプロ、『雲の影』のレコーディングに使われている。

2003年、デヴィッド・ギルモアは『ギター・プレイヤー』誌のインタヴューで1番好きなギターを訊かれると次のように語っている。「たぶん僕のマーティンD-35かな。“Wish You Were Here”で弾いているんだ。ずっと使ってきたんだよ」

同じく2003年、BBCのラジオ番組「デザート・アイランド・ディスクス」で無人島に持っていく贅沢品を訊かれた際にも、彼は次のように語っている。「ええっと、自分にとっては贅沢ではなくて、必需品なんだけどね。ギターを持っていかないとだね。僕のマーティンD-35アコースティック・ギターだよ。ギターなしの生活なんて不可能だからね」

“Another Brick In The Wall (Part 2)”のリズム・パートのレコーディングに使われた白のストラトキャスターは182万ドル(約1億9600万円)で落札されている。このオークションで集まった資金は総額で2149万750ドル(約23億円)となっている。

オークションのサイトはこちらから。

https://www.christies.com/SaleLanding/index.aspx?intsaleid=28021

デヴィッド・ギルモアは「UKならびにグローバル両方の」チャリティに貢献しつつ、自宅の整理のためにこのオークションを利用している。彼は少なくとも1987年発表の『鬱』以降のコレクションを売りに出すことも検討していたとして次のように続けている。

「あまりに古びてほしくなかったし、とってあるギターが何もせずに眠っているのが嫌だったんだ」と彼は語っている。「正直言って、あまりに多くのギターがあっても、十分に演奏するには僕には時間がなくてね。これらのギターは他の人々に楽しみを与えてくれるはずだよ」

デヴィッド・ギルモアは先月、『ライヴ・アット・ポンペイ』のコンサート・フィルムをオンラインで全編公開している。

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