モービーは新たな回想録『ゼン・イット・フェル・アパート(原題)』の中で有名になる前のラナ・デル・レイとの交際について振り返っている。
2016年に発表した回想録『ポーセリン』に続く5月2日に刊行された著書『ゼン・イット・フェル・アパート』は「名声に潜む闇や煌びやかな有名人のライフスタイルの喧騒の下に隠れる悪魔に迫る物語」だと評されている。
現在53歳のモービーが名声を獲得するまでの紆余曲折が綴られた本書ではラナ・デル・レイとの短期間の交際についても言及されている。「ステレオガム」によれば、モービーとラナ・デル・レイは2006年にヴィーガンやマクロビオティックのためのレストランで初めてデートをしたのだという。
モービーは本書の中で、当時リジー・グラントとして知られていたラナ・デル・レイが最終的にニューヨークにある自身の5階建てのペントハウスを訪れることとなった一夜について振り返っている。
モービーはラナ・デル・レイと初めて会った時のことについて次のように振り返っている。「僕たちは朝の4時にバーでキスをしたんだ……もうそろそろバーも閉まるという時間でね、家に来ないかって彼女を誘ったんだ。彼女は笑みを浮かべた後で僕に『ノー』と言った。会ったばかりの僕の家に行くことはないけど、電話で誘ってくれれば、喜んでデートをすると彼女は言った。僕は次の日に彼女に電話して、音楽や政治、郊外での幼少期について、30分くらい話をしたんだ」
「彼女は美しくて、賢くて、チャーミングな人だった。彼女と会うことは、僕自身の望みでもあったけど、当時のセラピストに言われたことでもあったんだ」
モービーは続けて、ディナーの際にラナ・デル・レイから彼女自身もミュージシャンをしていることを告げられ、自宅で音楽を演奏してくれるように頼んだ時のことを振り返っている。
抜粋は以下の通り。
「『いいわ。ピアノはある?』
『ああ、2階に戻ればある』と僕は言った。
『邸宅の2階ということね』と言って、彼女は首を振った。『モービー、あなたってそういう男よね』
『それはありがとう』と僕は言った。
『そういう意味じゃないわ。あなたはコネティカット州出身の裕福なWASP(ホワイト・アングロ-サクソン・プロテスタント)で、5階建てのペントハウスに住んでいる、『そういう男』っていうことよ。『あの男に歯向かえ』って言われているようなね。革命の時にギロチンで処刑されるような男よ』
彼女に侮辱されていたのかは分からないけど、僕は褒め言葉として受け取ることにしたよ」
モービーはラナ・デル・レイの初期の楽曲について「心に残る」ものだったとして、彼女の「歌声は暗いけど、力強いもの」だった評している。モービーは彼女にレコード契約を結んでいるのかを訊いた後で、本名で音楽をリリースする計画があるかについて尋ねたのだという。「分からないわ。口に出すと、味気ない感じがするのよね」とラナ・デル・レイはモービーに答えている。
当該の箇所の抜粋は以下の通り。
「『素敵な名前だと思うよ』と僕はピアノの椅子の隣に座っていた彼女に伝えて、彼女にキスをした。彼女もキスを返してくれたけど、途中で止めてしまったんだ。
『どうしたんだい?』と僕は訊いた。
『あなたのことは好きよ。でも、あなたがたくさんの人たちとこういうことをしていると聞いてしまったの』
僕は嘘をつきたかった。そんなことはないと伝えて、自分は純粋で、まともで、道徳的な人間だって伝えたかった。でも、僕は何も言わなかったんだ。
『またあなたに会いたいわ』と彼女は言った。
『僕もだよ』
彼女を29階まで送って、エレベーターのそばで彼女におやすみのキスをした。
想像していたような夜の終わり方じゃなかった。新しいマンションを、ウォッカとセックスで祝福するはずだった。でも、驚いたことに、こっちのほうが遥かに素敵な終わり方だったんだ」
本書の別の章の中で、モービーは自身のサイド・プロジェクトであるリトル・デスに関する話を進めていた中でリジー・グラントがラナ・デル・レイとしてのキャリアを追求することになったことを明かしている。「オリジナルのバックアップ・シンガーの1人だった、僕が数年前に交際をしようとしていたリジー・グラントは、ラナ・デル・レイとしてのキャリアを追求するためにグループを脱退したんだ」
一方、モービーは本書の中でかつてニューヨークのパーティーでドナルド・トランプに自身の「ペニスを擦り付けた」ことも明かしている。
スティーヴン・コルベアは先日、『ゼン・イット・フェル・アパート』について次のように述べている。「どういうわけか、魂の暗い部分について綴られたこの長編の年代記には、トランプやプーチン、そして不可解な変質者たちについての実に面白い話が収録されている」
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