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レディオヘッドのトム・ヨークは来たるソロ・アルバムについて語り、ディストピア的な思想や不安感、昨今の社会体制が陥った「危機的な状況」などに影響を受けていることを明かしている。

トム・ヨークは『クラック』誌とのインタヴューの中で、ソロ・アルバムについて「不安の感情」を反映しているとした上で、世の中がディストピア的な社会に向かっていることを懸念しているとしている。

「ディストピア的なものが一部入っているんだけど、でも、自分にとって僕を支配してきた大きな感情の一つは、不安なんだよ」とトム・ヨークは説明している。「不安に捕らわれるとさ、それって予想外の形で現れて、過度に感情的な反応を示してしまう人もいるわけでね。現実の根っことなるものがなくなってしまって、何が起きているのか分からなくなってしまう人もいる。その後、最後には現実に引き戻されるんだけどさ」

「いくつかの点で、不安の感情というのはディストピア的な環境の中でこそ創造的に表現できる思っていてね。現時点でヴィジュアル的なこともたくさん進行しているんだ」

同じインタヴューの中で、トム・ヨークは昨今の政治的な混乱がアルバムに与えている影響についても語っている。「僕たちがこのような危機的な状況に陥ってしまったのは、社会体制にそれを許してしまったからなんだ。社会的な機能の面でもそうだし、経済的境界でも旅行でも政治でもそうだよね。僕らは押し流されるようにしてしまったんだ」

「僕らの世代が引き起こしたことだよね。僕らはサッチャー政権やブレア政権の中で暮らしながら、『オーケー。あいつらは別世界に住む単なる負け犬たちだ』なんて言いながら、その負け犬たちに管理させてたんだ。(保守党議員の)マイケル・ゴーヴを首相にだって? 冗談だろう?」

トム・ヨークは続けて気候変動への大規模な運動「Extinction Rebellion(絶滅への反逆)」にも言及している。「今は素晴らしいことが起きていると思うよ。僕の息子は政治学を勉強しているんだけどね、表に出て共に参加することの重要さを知っているんだ。ありがたいことだよ。僕らの世代が諦めてしまっていたことだからね。正しいことをしてくれるはずだと信じて、負け犬たちに任せてしまったんだ」

現時点ではタイトルの付いていない来たるソロ・アルバムのほか、トム・ヨークは昨年手がけた映画『サスペリア』のサウンドトラックにも言及して、次のように語っている。「素人同然だったわけだけどさ……時には自分の作った音楽に自分を反映しなくてもいいわけでね」

トム・ヨークはまた、レディオヘッドの今後についても言及して、今年で20周年を迎える『キッド A』や『アムニージアック』期の「マテリアルを使って、なにかクールなことをやってみる」と語っている。

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