クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』について中国のLGBT活動家は同性愛に言及した部分をカットして公開したことを非難している。
クイーンの伝記映画である映画『ボヘミアン・ラプソディ』は1985年のかの有名なライヴ・エイドでのパフォーマンスに至るまでのフレディ・マーキュリーの生涯を描いたもので、フレディ・マーキュリーが男性とキスするところも描かれている。
先日、『ボヘミアン・ラプソディ』はいくつかの主要なシーンをカットされて中国で公開されており、男性同士がキスをするシーンや「ゲイ」というセリフがカットされているという。また、フレディ・マーキュリーのセクシャリティに関する言及がすべてカットされているほか、彼が当時の交際相手にゲイであることをカミングアウトするシーンもカットされている。
AP通信に対してある中国のLGBT活動家はロンドンに訪れた際にオリジナル・バージョンを観た上で、先週地元の広州市で検閲されたバージョンを観た時の思いを語っている。
「カットされたシーンは映画に寄与しているものです」とLGBT人権活動家のペンは語っている。「映画はフレディ・マーキュリーがどうやって彼自身になったかを描いたものであり、彼のセクシャリティは彼自身を形成するのに重要な部分を占めています」
中国版の大きな変化としてはフレディ・マーキュリーがエイズになったことをバンドに告げる感動的なシーンでも音声がカットされている。
中国の大手ソーシャル・メディア、ウェイボーのLGBTアカウントである「VCLGBT」の編集長であるホア・ザイはカットについて「残念だ」と述べている。
「こうしたカットは彼のゲイとしてのアイデンティティを無としています。これは彼の実像に対して失礼であり、映画内のキャラクターを表面的なものにしてしまっています」
「彼になったそのいきさつや最深部がなくなってしまったのです」
現時点で映画は限定公開となっているものの、映画の観客動員数が良かった場合には拡大公開される可能性もあるという。
賞スピーチでラミ・マレックは映画の成功が「こうした物語を僕らが求めている」ことを示してくれたとした上で、「ゲイで、移民で、自分の人生を自分らしく生きる人についての映画になっています」と述べている。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』は今年のアカデミー賞で最多受賞作品となっていて、音響編集賞、録音賞、編集賞も受賞している。作品賞にもノミネートされていたが、作品賞は『グリーンブック』が獲得している。
予告編が公開された当初、映画『ボヘミアン・ラプソディ』はストレートウォッシュ(異性愛化)しているという批判を受けたが、元フィアンセのメアリー・オースティンを演じているルーシー・ボイントンはこれに反論していた。
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