ザ・クラッシュの元マネージャーであるトリシア・ロネインは自身が保有しているバンドのロイヤリティの取り分の売却が裁判所で棄却されている。
2011年まで20年以上にわたってザ・クラッシュのマネージャーを務めていたトリシア・ロネインは、2008年に離婚するまでベーシストのポール・シムノンと18年間結婚していた。
トリシア・ロネインとポール・シムノンは離婚した際にバンドのロイヤリティを平等に受け取ることや、共に保有していたカット・スロート・プロダクションズ社の株式を50%ずつ保有することで同意していた。
ロンドンの高等法院は今回、ポール・シムノンが売却を拒否したとして、トリシア・ロネインによるカット・スロート・プロダクションズ社の株式売却を棄却している。トリシア・ロネインは自身が保有している株を500万ポンド(約7億2,700万円)で売却しようとしていた。
トリシア・ロネインの法廷弁護士を務めているジェニファー・ミーチは判事に対して株式の売却を拒否されれば、トリシア・ロネインは彼女とのコミュニケーションを取ることを拒否しているポール・シムノンと「永久に繋がりを持つことになる」と訴えている。「シムノン氏は彼女と話そうともしませんし、反応を示すこともありません」とジェニファー・ミーチは述べている。ジェニファー・ミーチはまた、トリシア・ロネインにとって金銭的な問題は「常に抱えていたもの」だったとも主張している。
ポール・シムノンの弁護士を務めるジェイムス・メイザーは、トリシア・ロネインが保有している株を第三者に売却されてしまえば、ポール・シムノンに対して「強要的な」ビジネス・パートナーがつく可能性があるとして、ミュージシャンとしての彼の今後のキャリアに「多大な困難を与える」ことになると主張している。
ジェイムス・メイザーはポール・シムノンとトリシア・ロネインについて「現在は良好な関係にない」とした上で、ポール・シムノンは彼女が株式を誰に売却するのかを「とても憂慮している」と述べている。「我々が共有しているのは500万ポンドの価値のある株式であり、この関係性はシムノン氏にとって非常に重要なものです」とジェイムス・メイザーは述べている。「問題なのは、新しいビジネス・パートナーがシムノン氏に強要的な人物になる可能性があるということです」
ジェイムス・メイザーはまた、両者が結んだ離婚調停書には「どちらも自身が保有している株式を売却することはできない」と明記されていると主張している。一方で、トリシア・ロネインの法廷弁護士であるジェニファー・ミーチは、株式を売却できないと記されている条項は離婚調停書にないと主張している。
高等法院のカウソン判事は、どちらかが株式を売却するという行為は2010年に両者が合意に至った離婚調停書と「矛盾し、相反するもの」であるとして、トリシア・ロネインによる売却を棄却する判決を下している。
「巨額の価値のある株式であり、巨額の収入源であることは間違いありません」とカウソン判事は述べている。カウソン判事はトリシア・ロネインに対してポール・シムノンに聴取にかかった3万ポンド(約436万円)の費用を支払うよう命じている。
ポール・シムノンは昨年、デーモン・アルバーンやザ・ヴァーヴのサイモン・トング、ドラマーのトニー・アレンと共にザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーンとしての新作『メリー・ランド』をリリースしている。
『NME』は3つ星をつけたレヴューの中で同作について次のように評している。「ザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーンによって、イギリスとしてのアイデンティティに再びフォーカスが当たられることになった。EU離脱について歌ったアルバムはこれが初めてではないものの……混沌とした『メリー・ランド』ほど静かに絶望感を誘発するアルバムはほとんどないだろう。アルバムでは『民衆とのつながりのない、大邸宅で育った』指導者についても言及されているが、このアルバムを正確に読み取れば、本作にはそんな指導者など存在しないことが分かるだろう」
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