モトリー・クルーのドラマーであるトミー・リーは、レッド・ツェッペリンの1975年発表のアルバム『フィジカル・グラフィティ』を初めて聴いた時の衝撃について語っている。
トミー・リーは元・米『ローリング・ストーン』誌の記者で作家のアンソニー・ボザによるポッドキャスト「ワイナル」に出演して、初めて『フィジカル・グラフィティ』を聴いた時のことを振り返っている。
「音楽というのは、時々説明するのがすごく難しくてね。何かを聴いた時の感情を説明するのは、とても難しいんだ」とトミー・リーはその時の体験について振り返っている。「俺が思うに……説明できるように最善を尽くしてみるよ。何かがきっかけで身体に衝撃が走った時には『驚いたな。何が起こっているんだ?』っていうことを思うわけでね。そういうのを身体全体で感じるんだけど、自分では何が起きているのか分からないっていうさ」
「音楽によるレイプのようなものだよね。言ってること分かるかな? 『何が起きているのか分からない』って思うんだけど、確かに自分の中に入り込んできて、完全にやられてしまうっていうさ」
トミー・リーは次のように続けている。「俺は『コイツは最高だよ。素晴らしいバンドだな』って思ったんだ。とりわけ、ドラムの演奏は本当に衝撃的でね。最高にクールだと思ったんだ。壮大でヘヴィーなペダルに、壮大なグルーヴ、そのすべてがね。すごく駆り立てられてね。限界まで上達して、いいドラマーになりたいと思わされたよ」
トミー・リーは1986年の『モダン・ドラマー』誌とのインタヴューでジョン・ボーナムが自身の演奏法に「多大な影響を与えた」ことを明かしている。
「グルーヴの使い手という点で言えば、ジョン・ボーナムは俺にとっての史上最高のヒーローだよ」と彼は語っている。「ハードなんだけど、それでいてものすごくシンプルなんだ。奇妙なテンポで叩けたりだとか、そういう熟練した技術を持った人のドラムよりも、彼のドラムを聴くほうが楽しくてね。いつの日か、そういう技術を習得したいと思っている。俺がやっているような音楽とはまったく相容れないものだけどさ」
「そういうわけで、俺がこれまでに一番影響を受けたのは間違いなくジョン・ボーナムだね……ジョン・ボーナムからは演奏面だけでなく、彼のドラムから奏でられるサウンドにも影響を受けたんだ」
「驚いたな! 自分がこんなにもサウンドを意識していたなんてね」とトミー・リーは続けている。「ジョン・ボーナムの動画を観るまでは、今よりも遥かにヘヴィーなドラム・ヘッドを使っていたんだけどさ。それを観た時に『彼はこうやってサウンドを出しているんだ!』っていうことを思ったんだ。彼は確か、白い(ドラム・ヘッドの)アンバサダーを使っていたと思うんだけどさ。音がよく響いて、それもアンビエントなサウンドになるんだ。ジョン・ボーナムのサウンドは、今の俺の奏法にいい影響を与えてくれたんだ」
一方、モトリー・クルーは伝記映像作品『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』がネットフリックスで3月22日より配信予定となっている。
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