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マニック・ストリート・プリーチャーズのギタリストで作詞家のリッチー・エドワーズは、新たに刊行される書籍の中で彼が自身の失踪を偽装した可能性が浮上している。

リッチー・エドワーズは1995年2月1日、27歳の時にロンドン中心部のエンバシー・ホテルから失踪している。失踪後、世界各地から目撃情報が寄せられたものの、リッチー・エドワーズは2008年に正式に亡くなったと見なされている。

しかしながら今回、リッチー・エドワーズに関する新たな書籍『ウィズドロウン・トレーシズ:サーチング・フォー・ザ・トゥルース・アバウト・リッチー・マニック(原題)』の中で、彼が自身の失踪を偽装した可能性があるとする新たな説が浮上している。

サラ・ホーイズとレオン・ノークスによる共著である本書は、リッチー・エドワーズの妹であるレイチェル・エリアスが初めて全面的に協力した書籍となっており、これまで公開されていなかったリッチー・エドワーズの私物などが提供されている。

本書では彼の失踪についてのこれまで報じられていなかった目撃情報や、彼が学生時代から失踪に関心があったことなどが明らかになっているほか、カーディフのホイットチャーチ病院で出会った、その後イスラエルへ渡った女性との重要な出会いについてなどが詳細に綴られている。

「偶然にも、著者の一人であるレオンがカーディフの理髪店でリッチーについての話をした時に、両者の繋がりが再び浮上することとなりました」と「ウェールズ・オンライン」は報じている。

「髪を切ってくれた女性から、『彼はイスラエルの(共同生活を送っている集団である)キブツで生活しているわ。みんな知っていることよ』と言われたのです」とサラ・ホーイズは述べている。「ご想像の通り、彼女の発言にレオンは非常に驚きました」

「レイチェルから同様の説を聞くまで、私たちはこの説に懐疑的でした。彼女曰く、リッチーは失踪する前にイスラエルの周辺地域に行きたいと語っていたというのです」

また、本書で提唱されている別の説として、リッチー・エドワーズがアスペルガー症候群を患っていた可能性があるとして、自身の病気に対処するために失踪したという説も提唱されている。

本書ではリッチー・エドワーズが失踪前に最後に会った女性とされているヴィヴィアンという女性についても記されている。

「彼女はリッチーが失踪する前夜にホテルの部屋で彼と一緒にいました。しかしながら、私たちは彼女についての調査を行うことができていませんでした」

「リッチーはどうやら、彼が失踪する前に『僕にはもう必要ない』と言ってヴィヴィアンにパスポートを渡していたらしいのです」

1月31日に刊行される本書では、様々な葛藤から彼が失踪してしまったという説や、彼が『ライ麦畑でつかまえて』で知られるJ・D・サリンジャーを初めとした逃避行を描く作家に夢中になっていた過去などが紹介されている。

一方で、ロンドン警視庁のスポークスマンはリッチー・エドワーズの失踪に関する情報を現在も募集していることを明らかにしている。

「リッチー・エドワーズは現在も行方不明者として登録されています」とロンドン警視庁は「ウェールズ・オンライン」に認めている。「この事件は今も情報を受け付けており、解決に繋がるような皆さんからの情報をお待ちしています」

リッチー・エドワーズの妹であるレイチェル・エリアスは、リッチー・エドワーズと共に他の行方不明者も探す活動を続けており、昨年、その足取りについて真実を示す新たな証拠があったと述べている。

リッチー・エドワーズは1995年2月1日、27歳の時にロンドン中心部のエンバシー・ホテルから失踪している。彼はホテルを朝7時にチェックアウトしており、彼の車はまもなくして有料道路のセヴァーン・ブリッジの近くで見つかっている。

「私たちはリチャードがセヴァーン・ブリッジを午後2時55分に渡ったと言われてきました」と彼女はITVに語っている。「そして、2時55分を示す料金所のレシートがありましたから、ホテルを出てから橋を渡るまで、同じ日の中で約8時間の開きがあると信じることになりました」

「しかし、その打刻機を作った人物を調べて、24時間表記だったかどうか尋ねたところ、ずっと24時間表記だったことが分かったのです。つまり、2時55分とは午前2時55分になります」

彼女は次のように続けている。「そうすると、あの日彼を見たという何人かの人々の時間について、意味を失うことになります」

「新たな捜査・検証の線が浮かび上がることを願っています。というのも、これはあらゆることを覆す決定的な証拠であり、もう一度確認してみる必要があるのです」

レイチェル・エリアスは、失踪した人の家族で構成される、「ブリテンズ・ゴット・タレント」にも出演したこともある合唱団「ザ・ミッシング・ピープルズ・クワイアー」に参加している

リッチー・エドワーズが参加した最後の作品はマニック・ストリート・プリーチャーズの1994年の傑作『ホーリー・バイブル』となっている。また、バンドは2009年にリリースした『ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ』で彼が残した歌詞を使用している。

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