エアロスミスのフロントマンであるスティーヴン・タイラーは薬物に依存していた自身を助けてくれたバンドメイトへの感謝を語り、薬物を止めるよう促された時には彼らから洗脳されていると思っていたことを明かしている。
スティーヴン・タイラーは今回、ジェイソン・イズベルやジュリアン・ベイカー、イーグルスのジョー・ウォルシュらと共に『GQ』誌のインタヴューに応じて、アルコールや薬物を止めた経緯やそれが音楽に与えた影響について語っている。
スティーヴン・タイラーはバンドメイトから薬物を止めるよう促された時のことを振り返り、次のように語っている。「(メンバーから)『もしもリハビリに行かなかったら、俺たちは終わりだ』っていうことを言われたんだ」
「面白かったのが、同じようにめちゃくちゃな状況だったあいつらから、そういうことを言われたということでね。けど、今ではそのことに感謝しているんだ。あれがなかったら、今頃は光すら見えていなかっただろうからね」
「最初はあいつらが俺を洗脳しようとしているのかと思っていたんだ。創造力がなくなってしまうんじゃないかって思っていたよ」
現在は10年近く薬物を断っているスティーヴン・タイラーは次のように続けている。「当時の俺たちは不真面目なことをやってこそ教訓が得られると思っていたんだけどさ。80年代にはそれがとても悪い方向へ行ってしまったんだ」
一方で、キャリアの絶頂期にアルコールや薬物に頼っていたというジョー・ウォルシュは次のように語っている。「愚かだったとは思うけど、アルバムをリリースした時に、前作よりもうまくいかないとナイーヴになってしまって、こういうふうに思ってしまっていたんだ。『さて、お酒がまだ足りなかったみたいだな……もっと飲まないと』ってね。それで、どんどん消耗していったんだ」
ジョー・ウォルシュはアルコールや薬物のせいで次第に友人たちや音楽への愛を失っていったとして、次のように続けている。「最後には救いようのない憎たらしい野郎になってしまったんだ。架かっていたたくさんの橋を焼き落としてしまったんだ。バカなことをたくさんやった。友達も1人もいなくなってしまったよ……自分がギターを弾いていたことすら忘れてしまっていた。もう弾くことすらなかったんだ。孤立して、家にいることが多くなった。自分が頂点にいる小さな宇宙を作っていたんだ。ウォッカとコカインを切らさないことだけが自分にとって重要なことだった」
彼は次のように続けている。「それから15年くらいが経った頃に(イーグルスのバンドメイトである)ドン・ヘンリーとグレン・フレイが僕のところへ来て、こう言ってくれたんだ。『イーグルスを復活させようと思っているんだ。それには君なしではできない。そして、君がシラフでなければできないんだ』とね。当時の自分はほとんどホームレスのような状態でね。もしもシラフになれれば、イーグルスが復活するという状況になったわけでね。自分にこう言い聞かせたんだ。『いいかい。もしうまくできれば、自分にとってのチャンスになる』ってね」
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