ザ・クランベリーズはラスト・アルバム『イン・ジ・エンド』からの最初のシングルとなる“All Over Now”が公開されている。
新曲は昨年の1月15日に享年46歳で突如死に見舞われたドロレス・オリオーダンの一周忌を迎えて公開されている。
ドロレス・オリオーダンは生前に11曲を書いて、デモを制作していたとのことで、結成メンバーであるギタリストのノエル・ホーガンによれば、亡くなるまでの数ヶ月、ドロレス・オリオーダンがニュー・アルバムの展望について「刺激を受けていた」という。遺族の了解を得て、彼女が取り掛かり始めていた作品を完成させることで、バンドとしてドロレス・オリオーダンを讃えたかったとノエル・ホーガンは語っている。
「ドロレスはこのアルバムの制作の見通しにすごく刺激を受けていてね。ツアーに出て、これらの曲をライヴで演奏することにも意欲的だったんだ」とノエル・ホーガンは『NME』に語っている。
「僕らはできる限り最高のクランベリーズによるアルバムのうちの一つにしなければいけないと分かっていたんだ。たとえそうはならなくてもね。僕らの懸念は、僕らの基準に達していないアルバムを作ることでバンドの栄光を汚してしまうことだった。ドロレスと僕で取り組んだデモを聴いてみて、すごく強力なアルバムになると決心できたことで、ドロレスを讃えるのに適切で最高の方法になると分かったんだ」
“All Over Now”の音源はこちらから。
バンドはこれまで4枚のアルバムを共にしてきたスティーヴン・ストリートをプロデューサーに迎えてスタジオに戻り、完成まで様々な段階にあった楽曲に取り組んだという。ドロレス・オリオーダンのヴォーカルの周りにサウンドを構築していくことはバンドにとって難しいものだったとノエル・ホーガンは語っている。
「切なくて、素敵な時間だったね」とノエル・ホーガンは思い返している。「新曲をレコーディングする時の喜びというのはいつだって最高だし、バンドにいることの最も素晴らしいことの一つだけどね。でも、毎日、自分たちのパートをレコーディングして、1日が終わりを迎えると、その日のトラックにドロレスがもう取り組むことができないということを分かっている悲しさみたいなものがあったんだよね」
ITVでのインタヴューでノエル・ホーガンは今回のアルバムが最後のアルバムになることを認め、ドロレス・オリオーダンなしに活動することは考えられないと語っている。また、今回のアルバムのリリースがドロレス・オリオーダンの突然の死を受けて、バンドが必要としていた「終焉」を迎えられるとしている。
ノエル・ホーガンは次のように語っている。「このアルバムを出して、みんなに聴いてもらえるのが楽しみなんだ。というのも、随分の間、秘密裏にこれらの音源と共にしてきたからね。そのヴォーカルや歌詞にみんな、感銘を受けてもらえると思う。これらはドロレスの心からのものだからね」
「彼女はこれだけの楽曲のコレクションを、非常に素晴らしい楽曲を遺してくれたんだ。たとえ1曲でも素晴らしいことだけど、これだけの楽曲を遺してくれたわけでね。彼女が亡くなった後もみんなが彼女の音楽に注目してもらえるのは素晴らしいことだよ」
ドロレス・オリオーダンの母親であるアイリーンもアルバムの完成に際してバンドを支持していると語っている。「非常に彼女のことが惜しまれます。特に今日は。家族全員がそうです」とアイリーンは述べている。「一周忌を偲び、彼女の人生を祝福するのに、バンドとの最後のアルバムをリリースすることを世間に向けて発表すること以上に、ふさわしい方法は考えられませんでした」
「彼女もこのアルバムを非常に興奮し、そのリリースを楽しみにしていると思います。間違いなく今日の発表を喜び、今は幸せなんじゃないかと思います」
ザ・クランベリーズのラスト・アルバム『イン・ジ・エンド』は4月26日にリリースされる。
アルバムのトラックリストは以下の通り。
1. All Over Now
2. Lost
3. Wake Me When It’s Over
4. A Place I Know
5. Catch Me If You Can
6. Got It
7. Illusion
8. Crazy Heart
9. Summer Song
10. The Pressure
11. In The End
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