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ポール・マッカートニー&ウイングスのギタリストであるデニー・レインとドラマーのデニー・セイウェルは、ウイングスが結成された当時の思い出やポール・マッカートニーとの今の関係性について語っている。

ポール・マッカートニー&ウイングスは1971年発表の『ウイングス・ワイルド・ライフ』と1973年発表の『レッド・ローズ・スピードウェイ』が、未発表音源などが追加されたアーカイヴ・コレクションとして12月7日にリリースされている。

『ウイングス・ワイルド・ライフ』は、ザ・ビートルズの解散が明らかになっておよそ1年半後の1971年12月に、ポール・マッカートニー&ウイングスによる最初のアルバムとしてリリースされている。同作は18週にわたって全米チャートの200以内にランクインして、最高位として全米10位を記録している。一方、『レッド・ローズ・スピードウェイ』は同作に続くアルバムとして1973年の春にリリースされ、アルバムとして全米1位を獲得しているほか、収録曲の“My Love”もシングルとして全米1位を獲得している。

デニー・レインとデニー・セイウェルは今回、『ウイングス・ワイルド・ライフ』と『レッド・ローズ・スピードウェイ』のアーカイヴ・コレクションのリリースに際して、米『ビルボード』誌のインタヴューに応じている。

「正直、本やDVDを手にした時は涙が出てきたよ」とデニー・セイウェルはアーカイヴ・コレクションに収められているDVDやブックレットについて語っている。

一方で、デニー・レインは次のように語っている。「かつて新しい人生への扉を開いてくれた、僕の人生の大きな部分を占める大切な思い出が蘇ってきたんだ……どちらのアルバムも素晴らしいけど、『レッド・ローズ・スピードウェイ』は特によかったね」とデニー・レインは語っている。「流した瞬間に、つい驚いてしまったほどでね。いい仕事をしてくれたと思うよ」

デニー・レインはポール・マッカートニーと共にウイングスとしての活動を始めた時のことも振り返っており、当時の心境について次のように語っている。「僕たちが思っていたのは、これまでとは違う道に進むほかないということでね。ポールが、元ザ・ビートルズとしてザ・ビートルズの楽曲をやるようなことはしたくないと思っていたことは明白だったんだ」

「ある意味では、それは自殺行為になりかねないわけだからね。音楽的に自分を殺してしまうというね。うまくいくはずがないと思っていたよ」とデニー・レインは続けている。「僕たちは、バンドとして何かをしたいと思っていたんだ。バンドを始めた時から僕たちは全員が同じ姿勢を共有していて、それを当時のレベルまで引き上げたという感じなんだ」

「ポールから、『そうそう、明日僕の家に来てよ。ツアーに出よう』って言われた時のことはこれからも忘れないだろうね」とデニー・セイウェルはポール・マッカートニーから誘われた時のことを振り返っている。「『何だって?』っていう感じだったよ。それで、Tシャツやジーンズをバッグに何着かだけ詰めて、彼の家に向かったんだ。彼の家に着くと、トラックがあって、家の前には12人乗りのヴァンが停まっていたんだ」

ウイングスの結成当初からバンドに加入している2人だが、デニー・セイウェルは1973年の8月まで、デニー・レインは1981年にウイングスが解散を迎えるまでバンドに参加している。

デニー・セイウェルとデニー・レインは今もポール・マッカートニーと連絡を取り合う仲だといい、デニー・セイウェルは次のように語っている。「最後に会ったのは彼がドジャーズ・スタジアムで公演をやった時だよ。電話をくれて、僕らを招待してくれたんだ。近くに来る時には、いつも招待してくれるんだ。数ヶ月前に、ポールがここロサンゼルスで最新作の『エジプト・ステーション』の仕上げに取り掛かっていたんだけど、その時も電話をくれて、スタジオで何時間か話をしたりしたんだ。完成前の曲も何曲か聴かせてくれてね。今もいい友人なんだ」

また、デニー・レインも数年前にポール・マッカートニーと一緒にレゲエの公演を観に行ったとして、今も連絡を取り合っていることを明かしている。

「分かるだろうけど、ポール・マッカートニーのような人と一度でも一緒にやれば、その後のキャリアに永遠とも言える影響がついてくるんだ」とデニー・セイウェルは語っている。「一緒にやってからもう40年も経つけど、あの日々は今も毎日の生活に根付いているよ」

一方、ポール・マッカートニーは現地時間12月16日にロンドンのO2アリーナで行った公演で、リンゴ・スターザ・ローリング・ストーンズのロニー・ウッドと共演してザ・ビートルズの“Get Back”を共に披露している。

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