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ラッシュのゲディー・リーは新たなインタヴューの中でドラマーのニール・パートが完全に引退したことを明かしている。

2015年にデビュー40周年記念ツアー「R40」を行ったラッシュだが、アレックス・ライフソンが患っている乾癬(かんせん)性関節炎と、ニール・パートの慢性的腱炎のために、大規模なツアーは「R40」ツアーが最後になることをバンドは明言していた。

ツアーを終えてまもなくドラマーのニール・パートは腱鞘炎を初めとした健康状態の問題から引退を発表している。しかし、大規模なツアーは最後となったものの、一夜限りのライヴや新曲の制作については可能性が残ったままの状態となっていた。

ゲディー・リーは今回、12月18日に敢行した著書『ゲディー・リーズ・ビッグ・ビューティフル・ブック・オブ・ベース(原題)』のプロモーションとして 衛星ラジオ局「シリウスXM」の番組「トランク・ネイション」に出演して、本書やラッシュのメンバーの現在について語っている。

「ニールは引退したんだ」とゲディー・リーは語っている。「彼はラッシュを抜けただけでなく、ドラムからも退いたんだ。彼はもうドラムを叩かない。自分の人生を生きてるんだ。いいことだよ、アレックス(・ライフソン、ギタリスト)も僕も不満はない」

「僕たちが仲間であることには変わりないからね。実際、アレックスと僕は数週間前にニールに会いに行っているんだ。僕たちは今も連絡を取り合っていてね。言うまでもなく、アレックスとはご近所だから、よくディナーを一緒に食べたりしているよ。彼は僕のワインセラーにあるものをすべて飲もうとするんだ。僕たちは今も仲間だからね。話したりはするけど、僕らの人生における一つの時代は終わったんだ」

ゲディー・リーは続けて、アレックス・ライフソンとの音楽をリリースする可能性について言及している。「僕とアレックスが音楽を出す可能性があるかって?」とゲディー・リーは語っている。「それがいつになるのか、どんなものになるのか僕には分からない。アレックスと僕が一緒に何かをやるのかも分からないよ……いつもそうに訊かれるんだ。みんなハッキリとした答えを欲しがるんだけど、僕にはそれはできない。今のところ、考えたことがないんだ」

ゲディー・リーは続けて、『ゲディー・リーズ・ビッグ・ビューティフル・ブック・オブ・ベース』の執筆作業についても語っている。「この本には2年以上をかけて取り組んだんだ。楽しみながらやっていたよ。脳にとっても、いい作業になっていたと思う。ある意味では、ラッシュを取り巻いていたあらゆることから離れてのいい休息になっていたんだ。僕は最後のツアーを終えてから、新たな欲求に取り憑かれることになってね」

「教育的なことをやりたいと思ったんだ。楽器についてもっと勉強したいだとか、本を作ることについても学びたいと思った。どういうことが必要なんだろうだとかね」

ゲディー・リーは次のように続けている。「そういうことを楽しんでいたよ。それで、今になってようやく次のことを考えられるわけでね。スタジオで僕を見つめてくれる、美しい楽器たちでも弾き始めようかな」

同じインタヴューの中で、ゲディー・リーは終わりを迎えたラッシュの最後のツアーに満足しているかという質問にも答えている。「ああ、満足しているよ」とゲディー・リーは答えている。「最後のギグは複雑だったけどね。けど、僕がこうして今話していることはすべてニールの考えていたことだからね。あのツアーではピークの状態でドラムを叩けなくて、ニールはとても苦労していたんだ。腕の持病だったり、いろいろなことを抱えていたからね」

「ニールは完璧主義者だから、人々の期待を下回るようなことは絶対にしたくないと思っていたんだ。それがキャリアを通じての彼のスタンスだったし、脱退した理由もそこなんだ。僕は彼の決断をリスペクトしているよ。アレックスも僕もドラマーではないし、同じような持病は抱えていないわけだけど、関節炎を抱えていたニールにとって3時間のギグはとてもつらいものだったんだ。それもあって、その後どんなことが起きようとも、最後にはこうなることが目に見えていたんだ」

「だからこそ、僕らの物語を逆行するようなデザインができるよう、僕は素晴らしいクリエイターたちと時間をかけて取り組んだんだ。とても楽しくできたよ。時系列を遡るようなものを作ることができたのは幸せだったけど、訪れることができなかった都市もたくさんあって、たくさんの人に体験してもらえなかったことが悲しいんだ。もっと公演をやれていたらっていうのが、唯一の後悔だね」

「考える時間ができた今になって振り返ると、終わり方にはとても満足しているけどね。フェアウェル・ツアーだったり、そういう名前をつけるのはどうも性に合わなくてね。僕は好きじゃないんだ……終わりにするのはつらかったけど、自分たちが成し遂げたことには満足しているし、終わり方にも満足しているよ。ほら、前進あるのみってやつだよね」

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