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デヴィッド・ボウイのザ・スパイダーズ・フロム・マーズのドラマーであったミック・ウッディ・ウッドマンジーはデヴィッド・ボウイとのツアーを振り返り、当時は彼が薬物を使用していたことに気が付いていなかったことを明かしている。

ミック・ウッディ・ウッドマンジーはジギー・スターダスト・アンド・ザ・スパイダーズ・フロム・マーズのドラマーとして1970年から73年までデヴィッド・ボウイと共にパフォーマンスを行っていた。今ではデヴィッド・ボウイが1970年代の初頭から後半にかけて薬物を使用していたことはよく知られているが、ミック・ウッディ・ウッドマンジーによればデヴィッド・ボウイは当時、自身が薬物を使用していることをバンドから隠していたといい、バンドは薬物によって彼の性格が変わっていたのを「エゴ」によるものだと考えていたという。

「正直に言うと、僕らは彼が薬物をやっていることを知らなかったんだ」とミック・ウッディ・ウッドマンジーは『メトロ』紙に語っている。「1980年に彼と再会したした時、人々にそういうことを悟られないようにしていたと言われたんだ。『うまくやっていたよ』って僕は彼に伝えたよ。だって、僕は一切気が付かなかったんだからね」

「ツアーに出た人物のことは見ていたわけだけど、僕はその人物が何かをしているところを見たことがなかったんだ。それで、『彼は一体何をしているんだい?』ってツアー・マネージャーに訊いてみたことがあったんだよ。そうしたら、彼にこう言われたんだ。『ああ、彼は売人なんだ』とね」

「それで、当時のクルーたちはほとんどがアメリカ人だったんだけど、彼らはそうやって乗り切っているのかと思ったんだ。彼らは次から次へとライヴのために移動して、夜通しでステージを組み立てなければいけないわけだからね。目を覚ましておくために何かしているんじゃないかと思ったんだ。それで、僕はデヴィッドが彼らにそういうものを供給しているのかと思ったんだけど、違ったんだ。デヴィッド自身のためだったんだよ」

ミック・ウッディ・ウッドマンジーは次のように続けている。「最後のいくつかのツアーでは確かに彼の性格が変わったりもしていたけど、エゴによるものだったり、自信過剰になっていたのかと思ったんだ。疲れているのかもしれないとかね。いつも何かしらの理由づけをしていたんだ」

一方、ミック・ウッディ・ウッドマンジーは2016年に、レディー・ガガがグラミー賞授賞式で行ったデヴィッド・ボウイの追悼パフォーマンスを批判している。

「実際、頼まれてたんだよ。トニー(・ヴィスコンティ)と僕はそのときツアー中だったんだけど、ガガと一緒にやるつもりはないかと訊ねられてたんだ。それで僕たちは見せてもらったんだ。4分という制限時間の中で14曲だか15曲だかをやろうとする案をね。僕たちは断固として『やらない。失せろ』って感じだった。だって馬鹿げているよ。彼の素晴らしさを何一つとして表現しようとしていなかったんだから」とミック・ウッディ・ウッドマンジーは『NME』に対して語っている。

「適切な表現をしているものをたくさん見ることはできなかったよね。多くの人々が彼への敬意を表そうとしてきたのはいいことだ。最高だよ。だけど、優れているものは多くなかったわけでね」

さらに、彼は次のように続けている。「単に『お前たちは何でこんなことするんだ?』って思ったよ。もし敬意から出てきた偽りのない真心のこもったものなら、多分何とかなっただろう。だけど、悪趣味なだけで、明らかに誰も止めることはできないって感じのパフォーマンスをする理由が他にあるとすれば、あいつらはやりたいことをやる権利があるってことだね。だけど、それはまったく理由にならないよ。本当に」

一方、デヴィッド・ボウイは2000年のグラストンベリー・フェスティバルのパフォーマンスを収録したライヴ作品『グラストンベリー 2000』が11月30日にリリースされている。

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