キッスのベーシスト/ヴォーカリストであるジーン・シモンズの母親であるフローラ・“フローレンス”・クラインが亡くなった。享年92歳だった。
フローレンス・クラインの訃報はジーン・シモンズの妻であるシャノン・トゥイード・シモンズによって明らかにされており、彼女はフェイスブックで次のように述べている。「安らかに、親愛なるフローラ。私が望める最高のおばあちゃんで、義理のお母さんだったわ。あなたは愛されていた。惜しまれることになるわ」
シャノン・トゥイード・シモンズによる投稿はこちらから。
https://www.facebook.com/ShannonLTweed.Simmons/photos/a.519124808125684/2151571721547643
ジーン・シモンズは母親との一連の写真をインスタグラムに投稿して、キャプションに次のように綴っている。「世界最高の母親だった」
キッスのバンドメイトであるポール・スタンレーもツイッターでフローレンス・クラインを追悼の意を表明しており、次のように述べている。「ジーンの母親である、フローレンス・ルボウスキが亡くなったんだ。俺はジーンのことと同じくらい彼女のことも知っていた。困難で、時には恐ろしくなってしまうような人生の中で、彼女は唯一の子どもである彼を誇りに思い、限りないほどの愛情を注いでいた。自分に捧げてくれた犠牲に報いようと、母親はジーンにとってのインスピレーションになっていたんだ」
「ホロコーストの生存者である彼女は、自分に残されたもののために闘っていた。ジーンを誇りを持って守ってきた彼女は恐れられ、尊敬され、愛されるような人だった。彼女の笑い声や笑顔が恋しくなるよ」
「彼女やジーン、そして彼の家族のために祈りを捧げさせてくれ」
Rest in Peace Flora pic.twitter.com/Exhj9JUQIQ
— Paul Stanley (@PaulStanleyLive) December 6, 2018
ハンガリー系のユダヤ人であったフローレンス・クラインの家族は、ナチスによるホロコースト政策の際に強制収容所に収容され、彼女と兄弟のラリーだけが生き延びている。
ジーン・シモンズは先日、『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙に次のように語っている。「92歳の母親のクラインは俺にとってのヒーローなんだ。母親は14歳の時にナチスの強制収容所に入れられ、生き延びたんだ。他の家族は亡くなってしまったんだけどね……自分の母親がガス室に入っていくところも見ているんだ。そんな悲劇を経験しているにもかかわらず、彼女は人の心に神を見出してくれるような前向きさを持っていてね。もしも俺が彼女の人生を送っていたら、そこまで寛容にはなれないだろうね」
「母親はイスラエルでシングルマザーとして俺を育ててくれた。俺が唯一の子供だったんだ。父親(フェリ・ウィッツ)は俺が6歳だった頃に俺たちを捨てたんだ。母の親戚がアメリカにいたから、よりよい生活を送ろうと俺が8歳の時にアメリカに移ったんだ」
「アメリカに来た頃は、俺も母親も英単語すら話せなくてね。母親は劣悪な工場で週6日間働いていたんだ。ランチ休憩もなくて、最低限の賃金すら保証されていないような場所でね。母親はボタンやボタンの穴をつける仕事をしていて、1日に1,000着くらいのコートにボタンを取り付けていたんだ。ボタン一つにつき0.5セントくらいしか支払われていなかったよ」
「母親にとって、俺の父親は本物の愛情を捧げた唯一の相手だった。親父に会いに、彼女は25回もイスラエルに行ったんだ。再婚したあのロクでもない野郎のところにね。後から分かったことなんだけど、俺には親父が5人の再婚相手と作った、5人の異母兄弟がいることが分かったんだ。親父は80代に差し掛かった頃に亡くなったんだけど、その時は35歳の女性と暮らしていたんだ。親父は最後の時まであいつらしさを貫いていたよ」
キッスは「エンド・オブ・ザ・ロード」と題したファイナル・ツアーを行うことを発表している。ツアーは2019年1月に行われるヴァンクーヴァー公演からスタートする。
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