GETTY

Photo: GETTY

ザ・1975のマット・ヒーリーは「ロックンロールにはもう女性蔑視がない」と語ったとされるインタヴューでの発言について謝罪している。

マット・ヒーリーは『フェイダー』誌とのインタヴューの中で、昨今の音楽業界における薬物問題に関する質問に応えている。マット・ヒーリーはその中で、サウンドクラウド・ラップのシーンにおいては「ドラッグをいかに摂取するかの争い」があるとして、かつては「ロックンロールのシーン」においてもそのような競争があったと指摘している。

「そういうものって、長く続けば続くほど取り除かれていくものなんだよね」と彼は説明している。「ロックンロールにおいて女性蔑視がないのも、そういう言語が長く蔓延しすぎたために取り除かれたからだと思うんだ。ヒップホップはまだジャンルとして若いから女性蔑視が存在しているけど、じきになくなるはずだよ」

マット・ヒーリーの発言はオンライン上で物議を醸すこととなっており、多くがロックンロールにもまだ女性蔑視は存在していると指摘している。ライヴでの性的暴行被害を防ぐための活動を行っているフェミニスト団体の「ガールズ・アゲインスト」は次のように綴っている。「マット・ヒーリーのこのコメントにはとてもガッカリしています。ロックンロールにおいても女性蔑視がいまだ根強く存在していることを私たちが身をもって証明しており、こうしたコメントから窺える特権を認識してくれることを願っています」

また、ツイッター・ユーザーの@ElizaSEganは次のようにコメントしている。「自分が男性という特権を得ているために、女性蔑視の現実が目に入っていないっていうことを想像してみて欲しい。それからロックンロールも黒人アーティストによって確立されたのに、ヒップホップを使って黒人コミュニティを暗に攻撃しているのって滑稽だし、とても悲しい」

今回、マット・ヒーリーは自身のツイッターで当該の発言を謝罪している。「このインタヴューで話している僕は、上から目線で、無知で、小さい奴に見える」とマット・ヒーリーは綴っている。「客観的に見て、それは事実だ。謝罪したいと思う」

「この発言は正確じゃないんだ。すべてが間違って掲載されているわけではないにせよね。ハッキリさせておくと、僕が言ったのは今日のロックンロールにおいて、ヒップホップのシーンで許されているようには女性蔑視が許されていないということだったんだ。存在しないとは言っていないんだよ。その部分は誤って引用されていると思う。ロックンロールにおいて女性蔑視があることは気付いているからね」

マット・ヒーリーは続けて、ロックンロールにおいても「女性蔑視が『蔓延』していることは否定できない」としている。「どこにでもあるし、始まった当初から奇妙にも一部容認されてきたものなんだ」と枯れは語っている。「ただ、僕の発言を見る限り……僕はこの件に関する十分な知識も持たずに、この複雑な問題を単純化しようとしていたみたいだね」

マット・ヒーリーはまたバンドのレーベルであるダーティ・ヒットを通して「女性たちを積極的に支援しようとしてきた」こともあり、「自分がフェミニズムや女性蔑視について十分に理解していないこと、公共の場で説明できないこと、最終的には多くの女性たちが経験しているこの複雑な問題を矮小化してしまうことを忘れてしまっていた」とも述べている。

「そういうわけで、このような発言をしてしまったことを謝罪するよ。僕が間違っていた」とマット・ヒーリーは一連の投稿の最後に綴っている。「指摘してくれた人たちには感謝しているよ。今後このような発言をする時のためにも、きちんと学び続ける必要があるんだ」

マット・ヒーリーはその後、さらなるコメントを投稿して次のように綴っている。「ハッキリさせておきたいのは、僕は『ロック・ミュージックには女性蔑視は存在しない』という発言に対して謝罪したわけではないということ。そんなことは言っていないんだ。そんなことを言う男たちは厚かましいばかりでなく、きっとマトモな目を持っていないんだ。これまでで聞いた中で最もバカバカしいことだよ」

「僕が謝りたいのは、僕の発言が、女性蔑視はカルチャーや音楽シーンにおいてヒップホップ(黒人たち)の問題に限ったものであると語ったようにも受け取れてしまうということ。絶対にそんなことはないんだ。僕が確信しているのは、そういう問題についてきちんと言及できるほどの十分な教育を僕が受けていないということ。それから、僕が白人の男だっていうことも大きな問題だっていうことだね」

マット・ヒーリーはファンへの返信の中で改めて、インタヴューに誤った発言が掲載されていると改めて主張している。「誤った発言なんだよ。音楽業界において許されないだったか、もしくは許容されないと言ったんだよ」とマット・ヒーリーはファンへの返信で綴っている。「(『フェイダー』誌のライターである)ラリーが僕をバックアップしてくれるはずだよ。『ロック・ミュージックにはもはや女性蔑視が存在しない』なんて僕は言っていないということをね。つまりさ、エモのシーンはどうなんだよっていうね。正直、誤って解釈されていると言うつもりはないんだけどさ」

ザ・1975は現地時間12月4日に、通算3作目となる最新作『ネット上の人間関係についての簡単な調査』のリリース・パーティーを開催している。11月30日にリリースされた同作は、今週の全英アルバム・チャートで首位を獲得することが見込まれている。

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ