エミネムは昨年のアリアナ・グランデのマンチェスター・アリーナ公演を襲ったテロ事件で犠牲になった少女の母親から批判の声が寄せられている。
エミネムは先日、ラップ・バトルを描いた映画『ボディード』が公開されたのを受けて、フリースタイルに取り組んでいた頃が「懐かしくなった」として、11分に及ぶ“Kick Off”という新たなフリースタイルを公開している。
「俺は常にラップ・バトルを戦争や競争だと見てきたんだ」とエミネムは冒頭で語っている。「そして、主要な目的は打ちのめすことだった。相手を完全にやっつけるというね。ありとあらゆることを語ることで、観客からのリアクションを得るっていうね。そこには禁じ手はないんだ」
“Kick Off”のファースト・ヴァースでエミネムは昨年マンチェスター・アリーナで起きた自爆テロに言及している。
エミネムは次のようにラップしている。「イスラムの政治体制が過激なジハードに傾くように/自爆テロ犯がこっちを見てる/その晩、アリアナ・グランデが最後の曲を歌った/そして観客がコンサート会場を去ろうとした時/腹につけていた装置を爆発させたんだ/俺にはそんなことをやらせたくないハッキリとした理由がある」
https://twitter.com/Eminem/status/1068693436197412865
エミネムのフリースタイルを受けて、2017年5月の自爆テロ事件で当時15歳だったオリヴィア・キャンベル=ハーディを失ったシャーロット・ホジソンは「冒涜だ」として彼を批判している。
「このような仕打ちや、私たちに対してこんなにも無礼なことをできる人がいるなんて思いませんでした。恥ずべき行為ですし、こんなことができる彼は卑劣な人間だと思います」とシャーロット・ホジソンは『マンチェスター・ イヴニング・ニュース』紙に語っている。
「どうして聖戦の実行者や爆弾犯になぞらえようと思うのでしょう? 彼がもし自分のことをそう思っているのであれば、彼には救いの手が必要でしょう」
彼女は次のように続けている。「誰がそれをエンタテインメントとして聴けるでしょう? アリアナはそこにいた全員の思い出に心からの敬意を払った曲を書いてくれました。彼女も巻き込まれてしまったのに、とても素敵で、素晴らしい行為だったと思います。それなのに、このような恐ろしい事件を利用してお金を稼ごうと思う人がいることが信じられません」
自身の娘がアリアナ・グランデのコンサート会場を襲ったテロ事件の22人の犠牲者の1人になってしまったことについて、彼女は次のように語っている。「毎日引き裂かれるような思いです。時々、いつも以上に辛くなることもあります。始めのうちは、とてもバタバタしていましたから。ようやく周囲も落ち着いてきて、私たちにも考える時間ができ、重くのしかかるようになってしまったのです」
「オリヴィアは11月28日で17歳になる予定でした。あの子のためにささやかなパーティー開いて乾杯をしましたが、もう今までとは違うのです」
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