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ブルース・スプリングスティーンは新たなインタヴューの中でメンタルヘルスの問題について赤裸々に語っている。

ブルース・スプリングスティーンは『エスクァイア』誌によるインタヴューの中で、『ネブラスカ』をリリースした1982年に初めて精神的な不調を陥っていたことを明かしている。彼はその原因について分からないとしながらも、加齢や幼少期の体験がきっかけの一つになったと考えているとしている。

「分かるのは、年齢を重ねるにつれて、自分が抱えているどこにも分類できないような荷物の重さが増していくということでね……ぐっと重くなるんだよ……その昔に子供時代のストレスに耐えるために建てた、自分が手にしているものを守るための防御壁は効果がなくなってしまうんだ。次第に、かつて命を救う力を持っていたはずのものを悪用するようになってしまうんだ」

「自分は間違ったやり方でそれに頼ってしまって、自分自身を孤立させ、疎外感に蓋をして、自分を人生から切り離して、他人をコントロールして、感情を傷つけるやり方で閉じ込めてしまったんだ。そして、集金屋がやってきて、涙でそれを支払うことになるんだよ」

ブルース・スプリングスティーンは、10代の自分にとって同じくメンタルヘルスに問題を抱えていた父親と関わっていく中で生まれたメンタルヘルスの問題の初期段階において音楽を発見することがそれと闘う手助けをしてくれたと語っている。

「子供の頃、10代に差し掛かった頃の話だけど……当時は自分自身が空っぽの容器のように感じていたんだ。音楽を始めてからは容器が埋まり始めて、自分個人の力や、友人たちに与えている影響、自分のいる小さな世界なんかを感じられるようになったんだ。自分のことが分かり始めたんだよ。でも、それは空っぽの場所から生まれたものだったんだけどね」

彼は次のように続けている。「僕の母親は優しくて、思いやりがあって、他人の感情をいつも汲み取ってくれるような人だった。彼女はこの世界を、目的を持ちながらもソフトに、軽々と生きていたんだ。そうしたものが僕の心と合致したんだよね。それが自分だった。すごく自然に馴染んでいったよ。父親はそういう感情を弱さだと考えていたんだけどね。そもそも父親はありのままの僕に否定的でね。その時からそれを解決するための生涯にわたる探求が始まったんだ」

ブルース・スプリングスティーンは今ではメンタルの不調の兆しが昔よりも分かるようになったとして、すぐに気づけるようになったと語っている。「自分が完全には好調でないことが分かるくらいには、(メンタルの不調が)理解できるようになったんだ。何年にもわたって何度も経験してきたし、安定させるためにいろいろな治療にも取り組んできたからね。そうでなかったら、好不調の波がもっと激しくなっていただろうし……車輪が取れ掛かっていたかもしれないね。つまりさ、僕らは家族同士でよく観察しなければいけないんだ。子供たちのことも見ないといけないし、自分自身がそれを経験していることを幸運にも思っているよ。父親のさらに先祖から、僕の家系にはそういうのが流れているんだろうね」

同じインタヴューの中で、ブルース・スプリングスティーンは自身が「激越性鬱病」を患っていたことも明かしているほか、「歳の近い息子」のような友人が自殺で亡くなった経験についても語っている。

「彼は深刻な病を患っていたんだ。結局のところ、彼との最後の日々については今も謎のままなんだけどね。僕はいつもこう言い聞かせているんだ。『ひどい場所にいる人がいた。雨の下に晒されている。違う夜だったら、違うやり方だったら、他の人がそこにいれば、あんなことは起きなかったかもしれない』とね」

「病気で、雨の下に晒されていた……そういう行動を起こすことに繋がる瞬間をうまく説明できるような人には会ったことがないんだけどさ。それなのに、お前は何が起きているのか分かるのかって? そう、分かるんだ。僕もそういう絶望を味わったことがあるし、痛みがどんどん強くなっていって、悩みもどんどん増していって、限界に達してしまうんだ。きちんとした分析ができたことはないんだけどね。実際のところ、きちんと分析ができた人に会ったこともないんだけどさ」

一方、ブルース・スプリングスティーンはネットフリックスで配信される『スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ』の最初のトレイラー映像が公開される。

この番組はニューヨークのウォルター・カー劇場で上演されている舞台『スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ』を収録したもので、公演の千秋楽の翌日となる12月16日よりストリーミングされる。

番組に先立って12月14日にサウンドトラック・アルバム『スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ』がリリースされることも決定しており、アルバムには演奏のほか語りも収録される。

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