モーターヘッドのフロントマンであるレミー・キルミスターは、生前に足の指を切断する診断を医師から受けていたものの、タバコのお陰でそれを免れていたという逸話が明らかになっている。
レミーは生前、糖尿病を患っていたことで知られている。先日、ハイ・オン・ファイアのフロントマンであるマット・パイクが足の指を切断する手術のためにツアーから離脱することを発表したことを受けて、アンスラックスのスコット・イアンが以前に行ったインタヴューが注目を集めることとなっている。スコット・イアンによればレミーもマット・パイクと同じような状況にあったことがあるというが、レミーはその頑強なロックンロールの精神でそれを免れたのだという。
「レミーは、糖尿病との闘病中に足の指を何本か失いかけたことがあったんだ。血の巡りが悪くなって、何本かの指が黒くなってしまっていたんだよ」とスコット・イアンは「ランドリー・オーディオ」に語っている。「レミーが手術のためにそれ用の部屋に入った時に、タバコを吸い始めたことがあったらしいんだけどさ。その時にこう言われたらしいんだ。『ここではタバコを吸ってはいけません。何してるんですか? ここは禁煙です』とね。それで、レミーはこう返したらしいんだ。『いいか、もし足の指を失うって言うなら、俺はタバコを取るよ』ってね」
スコット・イアンは次のように続けている。「手短に話すけど、病院の人たちから『ここは禁煙です』って言われても、レミーは『そうかい、なら俺はここに入らないよ』っていう感じだったらしくてね。それで、彼はその部屋を出て行ったんだ。レミーはその後で別のお医者さんに診てもらったらしいんだけど、その時にこう言われたらしいんだ。『食生活でこれとこれを改善すれば、足の指はいずれよくなるでしょう』とね。レミーは食生活を改善して、足の指が切断されるのを免れたんだ」
「つまり、タバコのおかげでレミーは身体の一部が切断されずに済んだってわけさ」
レミー・キルミスターは2015年の12月28日に鬱血性心不全と不整脈のために亡くなっている。レミーは前立腺ガンも患っていた。享年70歳だった。
オジー・オズボーンは今年6月、レミー・キルミスターとの最後の会話について明かしている。
「俺はレミーが亡くなったその日に電話していてね。彼がもう長くないことは分かっていたんだ。彼は電話の相手が俺だということにも気が付いていなかったよ。『オジーだよ、レミー』って言う必要があったほどでね。電話越しの彼の声はすごく弱々しくてさ。俺は彼に『レミー、どうかお願いだから、そこで持ちこたえていてくれ。今行くから』って伝えたんだ」
オジー・オズボーンは続けて、妻であるシャロン・オズボーンとレミー・キルミスターの元に急いで駆けつけようとしたものの、既に手遅れだったことを明かしている。
「俺はシャロンにこう言ったんだ。『チクショウ、車に乗ってくれ。彼のアパートに行くぞ』ってね。そしたら、これから向かうっていう時に彼女が俺にこう言ったんだ。『もう心配しなくていいのよ。彼はもう亡くなったって』ってね」
オジー・オズボーンは自身の初めてのアメリカ・ツアーをモーターヘッドと一緒に回っている。「あれは墓場まで持って行く思い出だよ。素晴らしい時間だった。彼らはみんないい奴でさ。彼らが恋しいね、正直に言うとさ」
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