スリップノットのフロントマンであるコリィ・テイラーは自身の依存症との闘いに言及して、依存症を克服する過程での意識の変化がスリップノットの新作に与えた影響について語っている。
スリップノットは10月31日のハロウィンに新曲“All Out Life”とそのミュージック・ビデオを公開している。コリィ・テイラーは新曲のリリースに際して、来たるスリップノットの新作が「バンドの歴史においても最もダークなチャプターの一つ」だと評しているほか、「ファースト・アルバムと『アイオワ』が交差しているような感じ」になっていると語っている。
これまでも過去の鬱病との闘いや幼少期に受けた虐待についてオープンに語ってきたことで知られるコリィ・テイラーは今回、物事を前向きに捉えられるようになったことでバンドやバンドの新作に与えた影響について語っている。
「昔よりも澄んだ目で世界を見るようになったんだ」とコリィ・テイラーは「Beats 1」のゼイン・ロウの番組で語っている。「俺のこれまでの半生にあった、放棄して忘れようとしていたダークなものともきちんと向き合えるようになってね。『いいか。もしもこれらのダークなことが俺の身に起きていなかったら、俺は今の自分にはなれていなかったんじゃないか』って思い始めたんだ」
「それ以来、自分が依存症だっていう事実とも向き合えるようになってね。おかげで自分が40代に突入しているという事実にも向き合えるようになったし、自分には子どもがいて、その子たちを養わなければいけないっていう現実だってそうだよ。『俺』を構成しているこれらのクレイジーなものすべてと向き合えるようになって、生きているという事実を受け止めないといけないって思うようになったんだ。父親である事実も受け入れないといけないと思っているし、2つの偉大なバンドの一員だっていう事実もそうさ」
コリィ・テイラーは依存症を克服しようとしている自分と、一人の大人やアーティストとして過ごす自分との「バランスの取り方」について次のように続けている。「うまくやれているよ。自分だけの世界から離れて、自分の人生を楽しめるようになったんだ。頭の中の世界から離れて、自分の持っているものを楽しめるようになったんだよ。欲望がなくなったとか、そういうことではないんだけど、自分の時間を最大限に活用できるようになったし、自分という人間を好きになることができたんだ」
「去年とかまでは、そこまでコリィ・テイラーという人間のファンにはなれていなかったんだけどさ。『嘘だろ? 俺ってこんなにもクールなところがあったのか。『俺たちは何年も前からそう言ってたろ!』って言ってくれる素晴らしい人たちが周りにいるのは幸運だな』って思えるようになったんだよ」
コリィ・テイラーは昨年のインタヴューで自身のメンタルヘルスについて次のように語っている。「時折、簡単には対処できない程に深刻な鬱状態になってしまうことがある。とはいえ、同時に俺は依存症でもあるから、出来る限り薬物依存の危険性からは距離を置きたいと思っていてね。俺は自分自身を理解しているし、自分がどうなってしまうか分かってるからさ」
「できる限り自然な形で対処しようとしてるんだよ。ヒッピーのやり方みたいに聞こえるのは分かるよ。ただ、自分自身のことをきちんと理解していて、自分が容易に陥ってしまう症状を理解しているなら、別のものを探さないといけないわけでね……あと今でもセラピーには通っているよ」
スリップノットの新作は2019年のリリースが見込まれている。スリップノットは2019年のダウンロード・フェスティバルにヘッドライナーとして出演する予定となっているほか、大規模なヨーロッパ・ツアーの日程も発表されている。
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