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メタリカのドラマーであるラーズ・ウルリッヒがアップルの新しいストリーミングサービス、アップル・ミュージックについて語ったところによると、メタリカについてはアップルと組むことには「問題ない」とのことだ。

今月初め(6月8日)にアップルは、サンフランシスコで開催されたデベロッパーズ・カンファレンスで、同社の新しいサービスであるアップル・ミュージックを発表した。アップル・ミュージックは、オンライン・ストリーミング、24時間ラジオ局のBeats 1、アーティストとファンをつなぐソーシャル・ネットワークなどの機能を備えた音楽サービスとなっている。

ラーズは、6月22日にフランスのカンヌで開催されているカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルに顔を見せ、この際に、アップル・ミュージック、タイダル、スポティファイといったストリーミングサービスについての意見を尋ねられている。メタリカはナップスターに敵対したことで知られている。

「来るものすべてのビジネスに対して、パートナーシップを提携する必要はないだろう? アップルについては、どこよりも大企業だし、非常に頭の切れる連中が会社を経営している。だから、『アップル・ミュージック』と組むことは問題ないよ。自分が使っているアップルの製品を数えたらなんと37もあったんだ。家族の分を入れないで自分の分だけでだ。だから、アップルとの提携することには全く不安は感じていないよ」とウルリッヒは答えている。

スポティファイについても、「ダニエル・エク(スポティファイの創業者)とは数年の付き合いがあるが、とてもいい関係だよ。彼は頭がいいし、俺たちの音楽を宣伝してくれている。ともかく、スマートな連中たちとは、うまくやっていきたいと思っているよ。経営者によって企業の良し悪しはわかるんだ。ダニエルに関して言えば、彼は本当に音楽のことに真剣に情熱を注いでくれているから、安心だよ。エディ・キュー(アップルのアップル・ミュージックを担当している上級副社長)をはじめ、アップルで音楽の担当をしている連中も同じさ。アーティストや音楽に対して、一生懸命考えてくれている。だから、彼らとも良好な関係を築いていけると思うよ」と肯定的な意見を述べた。

「他の企業に関しては、そう簡単にはいかないかもな。今のところ、中立の立場をとっているよ。今すぐに慌ててことを進める必要もないし、難しく考えすぎて、多くを求めてもしょうがないじゃないか。その時が来たら、流れに身をまかせればいいさ」

「メタリカは、これらのアップルやスポティファイ以外の企業との提携について話をする気はあるか」という質問に対して、彼は、次のように述べている。「もちろん提携の話についてはオープンだよ、でも用心はしているよ。こっちから積極的にビッグなアイデアを持ちかけたりしようとは思ってないよ。みんな冗談と思うかもしれないけど、メタリカの電話番号は電話帳のエンターテイメント企業の項目に載ってるんだ。だから俺たちに連絡を取ることは簡単にできるのさ」

アップル・ミュージックは、ユーザーに提供される3カ月の無料試聴期間中に、ミュージシャン、プロデューサー、ソングライターなどの権利保有者に対して、ロイヤリティの支払いをしないという方針を打ち出して、非難の的となることになった。この件に関しては、テイラー・スウィフトの公開書簡による抗議を受けて、最終的にアップルが方針を撤回し、無料期間中もアーティストへの支払いを行うこととなっている。

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