プリンスの遺族は彼の治療にあたった医師を過失致死で訴えている。
「ABCニュース」が入手した文書や「ピッチフォーク」の報道によれば、プリンスの遺族はプリンスが亡くなる直前に彼を二度診察したという医師のマイケル・シューレンベルクに対して「認識可能だったプリンスのオピオイド依存症について、彼に誤った診察や診断、治療、助言を行った」として訴えているという。
また、訴状にはマイケル・シューレンベルクについて彼が「予測可能であった依存症の致命的な結末を防ぐための合理的な治療を怠った」とも綴られている。プリンスの遺族は彼に対して5万ドル(約550万円) の損害賠償を求めているという。
現地時間8月24日にミネソタ州の地方裁判所に提出されたという訴状には、次のようにも綴られている。「許容できる範囲から逸脱した医療行為が、プリンスの死に大きな影響を与えることとなったのです」
プリンスは不慮のオーヴァードーズによって2016年4月21日に57歳で亡くなっている。その後、プリンスはヘロインの50倍の効果があるフェンタニルを摂取していたことが明らかになっている。
「ピッチフォーク」によれば、遺族は「プリンスの死に大きな影響」を与えることとなった「彼への不適切で専門的な医療サービスを提供する際に過失」を犯したとして、マイケル・シューレンベルクの他に勤務していたノース・メモリアル・ヘルス病院や、薬剤給付管理を行っている薬局のウォルグリーン、ユニティ・ポイント・ヘルスの名前も挙げている。
ユニティ・ポイント・ヘルスは、2016年の4月15日にプリンスがオーヴァードーズを起こした際に緊急搬送されたトリニティー・メディカル・センターの所有者ともなっている。プリンスは当時、機内で体調を崩して飛行機を緊急着陸させている。
プリンスの遺族は以前、トリニティー・メディカル・センターを訴えることも発表していた。
プリンスの遺族の弁護士であるジョージ・ルーカスとジョン・ゲッツは次のように声明を発表している。「プリンスの身に起きたことは、アメリカ全土の家族にも起こっているものです。プリンスの遺族は、今回の調査を通して処方薬の問題の広がりと、命を救うためのより良い方法に光を当てたいと願っています。もし、プリンスの死が誰かの命を救う手助けになるならば、すべてが無駄になるわけではありません」
また今年4月には、プリンスの死に関して第三者の関与が立件できないことが明らかになっている。
ミネソタ州カーバー群の弁護士であるマーク・メッツは、プリンスは痛み止めの成分の入った偽物の錠剤を摂取したことによるオーヴァードーズによって亡くなっていたことを発表している。「プリンスは、自分を死に至らせる偽物の錠剤を飲んでいたことに気がついていませんでした」とマーク・メッツは語っている。しかしながら、CNNの報道によれば、プリンスが偽物の錠剤を入手した経路については明らかにできなかったとして、プリンスの死に関して第三者の関与は立件できないという。
マイケル・シューレンベルクの弁護士を務めるポール・ピーターソンは、「ABCニュース」に寄せた声明の中で今回の訴訟について次のように述べている。「世界中にいるネルソン氏(プリンス) に近しい方々やファンにとって、これが難しい状況であることは理解しています。たとえそうであっても、シューレンベルク医師はネルソン氏が受けていた治療を支持してきました。この件に関しては弁護していく所存です」
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.