マストドンのギタリストであるビル・ケリハーは音楽業界の現状について警鐘を鳴らしている。
ポッドキャスト「レット・ゼア・ビー・トーク」に出演したビル・ケリハーは音楽業界の現状について語り、スポティファイやアップル・ミュージックのようなストリーミング・サービスはアーティストへの支払い方を改めるべきだと語っている。
「この現状が続けば、アーティストはいなくなってしまうだろうね」と彼は語っている。「僕らは外へ出かけることもできないぐらいだからね。みんながラジオで聴く曲の裏ではたくさんの人たちが関わっているんだ。自分のジャンルだったり、僕らの現状を知っている人のためだけに言っているんだけどさ」
彼は次のように続けている。「アルバムを作る時のことについて言えば……レコード会社が費用を建て替えているわけでね。仕組みはこうだ:会社が前払いで払ってくれて、『ここに60万ドルあるけど、これで57万5,000ドルかかるアルバムを作るんだ』って言われるんだ。お金はそれ用のものなんだよ。俺たちはレコード会社に借りを作った上で、会社が俺たちの音楽を所有するんだ」
「俺が1000年生きたとして、その間でスポティファイを毎日再生したところで、数千ドルしか稼げないだろうね。分からないけどさ。微々たるものなんだよ。お金を稼ぐ唯一の方法は、ただコンスタントに外へ出てツアーに出続けることだけなんだ」
「たくさんの人から、『どうしてTシャツが50ドルもするんですか?』って訊かれるんだけどさ、ここで教えてあげるよ。会場側が利益の20%だったり25%から30%を持っていくから、俺たちに残るのは30ドルなんだ。それからその30ドルが、マネージメントや弁護士、税金だったりの諸々に分配されるっていうね。ツアーバスだって、1ヶ月借りるのに6万ドルもかかるんだぜ。馬鹿げてるよ……ツアー中はお金を差し出しているようなものなんだよ」
ビル・ケリハーのインタヴューはこちらから。
ビル・ケリハーとバンドのドラマーであるブラン・デイラーは先日、グラミー賞を主宰するレコーディング・アカデミーのメンバーとしてワシントンを訪れ、アーティストへの支払いに関する、1972年に制定されて以来で初の修正案となる、音楽近代化法の制定を提案している。
マストドンは、今年1月にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催されたグラミー賞の授賞式で「最優秀メタル・パフォーマンス」賞を受賞している。マストドンは、「最優秀ロック・アルバム」にノミネートされた『エンパイア・オブ・サンド』に収録されている“Sultan’s Curse”で同賞を受賞している。
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