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ウルフ・アリスやシェイム、ポーティスヘッド、サーカ・ウェーヴス、カール・バラーなど、多くののアーティストがパレスチナ人に対する武力行使を続けるイスラエルに抗議するために団結し、イスラエルに対するボイコットへの支持を表明している。

パレスチナ支配をめぐる対立が続く中、現地時間5月14日には、米国大使館のエルサレム移転への抗議のためにガザ地区とヨルダン川西岸地区で開かれていた集会で、イスラエル軍がパレスチナ人に向けて発砲し、55人が亡くなったと報じられている。

イスラエル国防軍は今回の武力行使について、3人の「テロリスト」を殺害し、5つの「テロの標的となりうる場所」を攻撃することができたことを強調しているほか、ベンヤニン・ネタニヤフ首相は攻撃は防衛のためだったと述べている。「すべての国には国境を守る義務がある」とベンヤニン・ネタニヤフ首相はツイートしている。

今回、多くのアーティストらがソーシャル・メディアにイスラエル政府に抗議するメッセージを投稿して、イスラエルに対するボイコットへの支持を表明している。

彼らが投稿しているメッセージには次のように綴られてる。「イスラエル政府がパレスチナの人々に戦争犯罪を犯し続ける限り、私たちは野蛮な支配に平和的に対抗する手段としての、パレスチナ人のイスラエルに対するボイコットへの呼びかけを支持します」

アーティストらの投稿はこちらから。

https://twitter.com/ficklefriends/status/998913556925046785

イスラエルに対するボイコットをめぐっては、ロードは昨年12月に、彼女がイスラエルのテルアビブで公演を行うことはイスラエルによるパレスチナ人迫害を支持することになるとして、ファンから中止を求める声が上がったことを受け、テルアビブ公演を中止することを発表している。

ニック・ケイヴもまた、昨年のテルアビブ公演の開催に際してアーティストや親パレスチナの団体から「アパルトヘイトが存在している限りは」公演をキャンセルするよう促されている。

「結局のところ、僕がここにいるのには大まかに言って2つの理由があります。1つ目は、イスラエルが大好きであり、イスラエル人を愛しているからです。そして2つ目は、ミュージシャンを検閲し黙らせようとする人たちに対して、信念を持って対峙するためです」と最終的にテルアビブ公演を行なったニック・ケイヴはその理由について語っている。

ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズはニック・ケイヴの決定を次のように批判している。「ニックはこれを自分の音楽に対する検閲の問題だと思っているのか? 何だって? ニック、あらゆる敬意を込めて言うけど、君の音楽はこの問題とは無関係だ。僕の音楽だってそうだし、ブライアン・イーノの音楽だってベートーヴェンの音楽だってそうだ。これは音楽の問題ではなく、人権の問題なんだよ」

「僕ら何十万人ものBDS(ボイコット、ダイベストメント、サンクション)や人権のサポーターたちは、歴史を通して世界中で(南アフリカで1960年に起きた)シャープヴィル虐殺事件や(1890年にアメリカで起きた)ウンデット・ニーの虐殺事件、(1941年のチェコの)リディツェ村の惨劇、ブダペスト、(黒人の少年が警察に殺されたアメリカの)ファーガソン、(パイプライン建設に反対するアメリカの先住民居住地である)スタンディング・ロック、そしてガザ地区のために団結して、対抗するために拳を突き上げてきたんだ」

また、ロジャー・ウォーターズは昨年にレディオヘッドがテルアビブ公演の開催を発表した際にもそれを批判しており、レディオヘッドについては彼らの公演で親パレスチナの団体が抗議の旗を振る光景が見られることとなっている。

フロントマンのトム・ヨークはそうした状況について「ものすごく失礼」で「攻撃的」であり、「途方もないエネルギーの消耗」だとして、バンドを批判するロジャー・ウォーターズらについて次のように批判している。「僕らと個人的にやりとりをするのではなく、公の場で面倒に巻き込むことを選んだというのが、ものすごく悩ましいよね」

レディオヘッドはその後、映画監督であるケン・ローチともツイッターで口論になったが、テルアビブ公演を実施している。

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