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ジェフ・ベックは自身の半生についての新たなドキュメンタリー作品に先立って、エリック・クラプトンとの過去の「気まずいライバル関係」について語っている。

新たな映像作品『スティル・オン・ザ・ラン:ジェフ・ベック・ストーリー』は、ヤードバーズに加入してジミー・ペイジとジャム・セッションを繰り広げていた10代の日々やソロ・キャリア、現在に至るまで、ジェフ・ベックの全歴史を網羅するドキュメンタリーとなっている。

このドキュメンタリーにはエリック・クラプトンをはじめとした、ジェフ・ベックに敬意を表する豪華ロック・ミュージシャンが出演しているという。

「涙が浮かんだことを認めるよ、特にエリックについてはさ」とジェフ・ベックは米『ローリング・ストーン』誌に語っている。「彼がわざわざこの中に入ってくれているとはまったく予想してなかったんだ。僕は彼の顔を何度も見て、何か別のことが起こってるんじゃないかと確かめたよ。でも、そうじゃなかったんだ。感激したよ」

エリック・クラプトンの「激しい」気性のために「僕の頭の中では本当に厄介な男というイメージとして刻まれていた」というジェフ・ベックはザ・ヤードバーズの頃に始まり、後年まで続くライバル意識について次のように語っている。

「彼の自宅の近くだったギルフォードでやったライヴに(1980年に)招待してくれたことを覚えてるよ。『なぜ彼は僕を誘ったんだろう?』って思ったんだけどさ。『間違いなく演奏はしないだろうから、ちょっと行って、ビールでも飲もう』と自分では思ってたんだ」

「そこへ行く道中、『ブラッキーを弾きたいか?』と訊かれてね。僕が『うーん、その曲は知らないな』って言ったら、『違うよ、僕のギターのことだよ』って言われたんだ。『あ、しまった』となってさ。それがその日の最初の災難だったね。それから僕はこう言ったんだ。『ギターを持ってきてないから弾かせてもらうよ』ってね。それから1分くらいして、彼は車の側に立つとこっちを見てこう言ってきたんだ。『そんなんじゃすごいものになるわけないよね?』ってね。僕は『いいかい、僕が弾くか弾かないか、そのどっちかだよ』って答えたけどさ。そういう、何と言えばいいかな、気まずいライバル関係があったんだ」

ジェフ・ベックは次のように続けている。「後になって彼の妻のパティから聞いたことなんだけど、(ライバル意識は)間違いなくあったんだ。特に僕がスティーヴィー・ワンダーとやったことについてはね。僕がスティーヴィーと成功したことを彼はあまりおもしろく思っていなかったんだよ。もしかしたら、彼はそれに苛立ちすら覚えていたんじゃないかな」

ジェフ・ベックはしかし、エリック・クラプトンについては「ブルースを網羅している」として、自身には真似できないアーティストであると彼を称賛している。

一方、エリック・クラプトンは先日、自身の健康問題について語り、耳鳴りを抱えていることを明かしている。

「唯一懸念しているのは、70代になって、まだ上手でいられるかってことでね」とエリック・クラプトンは語っている。「要するに、耳が聴こえなくなってるんだ。耳鳴りを抱えていてね。手のほうはかろうじて大丈夫だよ」

「だから、みんなに来てもらって、僕を観てもらいたいね。というのも、僕がやるのは珍しいからさ。それも一つの要因だよね。なぜなら、僕自身にとっても、こうやってやってられるのはすごいことなんだからね」

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