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フー・ファイターズのフロントマンであるデイヴ・グロールは、カート・コバーンとニルヴァーナで活動していた時期を振り返り、シアトルでの経験を「自身のDNAの一部」と語っている。

シアトル観光のための動画「ヴィジット・シアトル/ディア・シアトル」に出演したデイヴ・グロールはシアトルの魅力について語っている。

その中でデイヴ・グロールはカート・コバーンの存在の大きさと、自身にとってのシアトルの意味について語っている。「あの数年間をシアトルで過ごすことになったのはよかったよね。ちょうどあの街が爆発するところだったんだ。俺は本当に多感な時期だったわけで、あの歳での経験が今の自分の人格の凄く大きな部分を形作っているんだよね。俺は家の裏にあるこの部屋で相棒のバレットと一緒に住んでいたんだ。通りにあるどの家でも良かったわけだけど、でも引っ越したくはなかったね」

「俺は同世代で最高のソングライターと一緒のバンドにいたわけで、俺がやらなきゃいけないことと言ったら、ドラムを今日が人生最後の日って感じで叩くってことだけだった。だからそうしてたよ、毎回ね。俺はあの場にいて、成人になった時期にもの凄い経験ができたんだ。そして、その後で、おそらく人生で一番打ちひしがれた時期を経験したんだよ」

「カートが亡くなって、何ヶ月も俺は音楽を聴くことすらできなかった。ラジオも駄目、テレビも駄目、何もできなかった。音楽が聴こえるのに耐えられなかったし、音楽に怯えてたんだ。その後でそんな状態から俺を救ってくれるのは音楽しかないって気がついたんだよ。シアトルはとても大きな才能を失ったわけだけど、どういうわけか、その喪失は俺たちの絆を強める方向にしかはたらかなかった。シアトルに戻ってくるといつも、車を借りて、昔過ごした場所を回るんだ。俺の心を打ちのめした場所に来ると、思わずゆっくり運転している自分がいるんだよね。自分と共にあって欲しいものだからね」

「当時学んだ教訓、手に入れたもの、失ったもの、みんな今でも実感できるんだ。ずっと俺の血管に流れ続けているんだよ。自身のDNAの一部になっていて、どこへ行くにも方向を決める役割を果たしてるんだ。シアトルがなければ俺はここにいないよ。俺みたいな人間にとってシアトルは完璧な場所だね。シアトルが自分を連れ戻してくれることを願ってるんだ」

インタヴュー動画はこちらから。

また、デイヴ・グロールは同じ動画でシアトルに降り立った最初の日についても振り返っている。

「飛行機を降りて、クリスとカートが手荷物受取所に自分に会いに来てくれたのを覚えてるよ。『チルドレン・オブ・ザ・コーン』(※スティーヴン・キングの小説ならびに、それを原作とした映画)みたいに空港で捕まえられる感じだったな。シアトルに向かうと、ニルヴァーナは別のドラマーでライヴをやったんだ」

「このニルヴァーナのライヴには俺も行ってね、1200人ぐらいがいて、パンク・ロックの格好をしているのは15人ぐらいだった。あとは、トレイラー・パークに住んでるキッズなんだよ。脂っぽい長髪で、フレッド・メイヤーやサルヴェーション・アーミーで買った服を着てるんだ。フランネルとかね。あの夜、あのライヴで観たキッズのような格好を俺はいまだにしているんだ」

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