右派による難民に対する放火の攻撃に抗議するキャンペーンがドイツで起こり、その結果、90年代のパンク・バンドによる楽曲が今週末のシングル・チャートの1位になろうとしている。
『ガーディアン』紙の報道によれば、キャンペーンは、反ナチスのパンク・バンド、ディ・エルツテが1993年に発表した楽曲“Schrei Nach Liebe’ (Cry For Love)”の購入をソーシャル・メディアでファンに呼びかけるものだという。
このキャンペーンは、難民の避難所に放火する極右団体の攻撃を受けて立ち上げられたもので、ネオナチを嘲笑う22年前の楽曲をドイツのシングル・チャートで1位に押し上げることとなった。
この楽曲は元々90年代のネオナチに対するものとして書かれたという。歌詞には「Because you’re scared of a cuddle, you’re a fascist(抱擁を恐れるのであれば、お前らはファシストだ)」、「Your violence is just a silent cry for love(お前らの暴力は愛への無言の涙だ)」といった一節がある。
チャートの分析会社、メディア・コントロールによれば、“Schrei Nach Liebe’ (Cry For Love)”は、2015年の1週間あたりの最多ダウンロード数の記録を更新したという。
キャンペーンを始めたゲアハルト・トーゲスは「本当に驚いています。こんなことができるなんて思っていませんでした」と語っている。「難民を助けるヴォランティアにも関われていませんでした。どこに行けばわからなかったですし、時間もなかったですから。でも、オンラインだったら、ずっと簡単だったのです」
ディ・エルツテは今回の収益をすべてドイツの人権団体、プロ・アスィールに寄付するという声明を出している。
「キャンペーンは他の反ナチスの曲でもよかったと思うんだ。でも、もちろん、自分たちの曲になったのであれば、サポートできて嬉しいよね」とバンドは声明で述べている。「ナチスとその協力者たちにとって、嫌なエンタテインメントになることを祈るよ」
シリアからの難民を年間50万人受け入れることをドイツ政府が約束して以降、同国では250以上の難民への攻撃が起こっているという。
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