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カニエ・ウェストが今年のグラミー賞授賞式でベックの受賞スピーチを妨害するそぶりを見せた件について語っている。
2月に行われたグラミー賞授賞式でベックが最優秀アルバム賞に輝いた際、ベックの後を追ってウェストがステージに上がり、2009年のMTV・ビデオ・ミュージック・アワードでテイラー・スウィフトのスピーチを妨害した騒ぎを思わせる一幕があったが、ウェストはベックのスピーチの邪魔をすることなく、そのまま自分の席へと引き返すという出来事があった。その後、ウェストは同賞にノミネートされていたビヨンセこそ受賞すべきで、ベックはその芸術的才能を尊重してビヨンセに賞を譲るべきだと主張していたという。
今回『サンデー・タイムズ』紙のインタヴューに答えたウェストはその主張を撤回している。「俺は提案じゃなく命題を提示するんだ。そして依頼じゃなく命令を出す。それ以外はない」
「不正確な発言をしたことはちゃんと詫びるよ。なあ、過ちを犯した時、俺は花束を贈るんだぜ。ベックの奥さんとも話したし、ビヨンセのアルバムへの主張は俺に一理あったと思ってる。だけど14もの楽器を演奏する人物が芸術的才能を尊重しないと考えたのは間違いだった」
ウェストは次のように続けている。「一般的に受け入れられている真実に、誰もが毎回ショックを受けるってのは驚きじゃないか? 俺が単なる個人的な意見じゃなく、80~90パーセントのほとんどの人間が思ってることを言うたびにあんな大騒ぎになるなんて、バカバカしすぎるよ。世論が真実となる時代だよね。これは正確さの話じゃなくて、真実をどう定義するかの問題なんだよ。こんな操作された世界で、美を求め、最高を目指し、フェア・プレイを実現しようともがいた今回の戦いにおいて、俺が不正確な発言をしたことも少しはあっただろうさ。だがそんなのは、今の世の中の不正に比べたら数のうちに入らないね」
同紙のインタヴューでカニエ・ウェストは、自身をレオナルド・ダ・ヴィンチや椅子に喩えて次のように語っている。「想像してみてくれ。ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ガリレオが最初に有名になったアイディア以外、何も考えるなと言われたようなもんなんだ。ダ・ヴィンチにたった一つのアイデアしか許されないんだぜ。俺を嫌ってるヤツらに言いたいんだが、別に俺は自分がダ・ヴィンチだと言ってるわけじゃない。人間は誰でも、何に自分を喩えてもいいと思うんだ。俺はこの椅子に自分を喩えたっていいぜ、『俺は全てを背負い込んでる、だから俺は椅子と同じだ』って。世間のヤツらは俺の喩えにやたら目くじらを立てるけど、俺はスゴ腕の語り手で、比喩を交えて話すのさ」
ウェストは6月27日土曜日のグラストンベリー・フェスティバルでヘッドライナーを務めることが決まっている。フェス主催者であるエミリー・イーヴィスは先日、土曜日のウェストのパフォーマンスについて「ビッグ」で「エキサイティング」なものになると語っている。
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