マニック・ストリート・プリーチャーズはニュー・シングル“International Blue”を公開し、同曲についてベーシストのニッキー・ワイアーは“Motorcycle Emptiness”の姉妹関係にある曲と評している。
“International Blue”は通算13作目となるニュー・アルバム『レジスタンス・イズ・フュートル』からのリード・シングルで、ニッキー・ワイアーはアルバムについて、近年の混乱した社会の様相や政治情勢とは離れた「楽観的な」レコードだと『NME』に語っている。
“International Blue”について、ニッキー・ワイアーは『NME』に次のように語っている。「僕が思うに、この曲にはアルバム全体に反映されているようなある種の純真なエネルギーだったり、ワイドスクリーンのメランコリアの要素があると思うんだ。これは、僕らが持ってる『ジェネレーション・テロリスト』的なエネルギーをほとんど上手く表現できているんだよ。新たなる“Motorcycle Emptiness”みたいな感じでもあるかな。(“Motorcycle Emptiness”のMVが撮影された)日本というよりはフランスのニースの方が舞台にふさわしいけどね」
「それから、1970年代のボウイ的な部分も大いにあってね。『ステイション・トゥ・ステイション』的な要素がさ、かなり影響を受けてるんだ。でもそれでいて、メロディーにも夢中になってるんだよね」
ニッキー・ワイアーは続けて“International Blue”の歌詞ついて次のように語っている。「この曲にもアルバム全体にも、人生を少し豊かに感じさせてくれるものへのちょっとした敬意が散りばめられていてね。自分の内面にある惨めさよりもむしろ、僕らを本当にインスパイアしてくれることについて書くことで、楽観的な雰囲気を歌詞に入れてみようと思ったんだ」
ニッキー・ワイアーは続けて語っている。「『現実逃避』とは呼ばないまでも、実際僕らは自分たち独自の世界を作り上げているように感じているんだ。バンドを始めたころの思想に立ち返って、自分たち4人を孤立させて、アイデアを芽吹かせていくっていうね。自分たちを意図的に周囲の世界から切り離すとかではなく、ただインスピレーションを探し求めるんだ。さもないと、ネガティヴの海に沈んでしまうことになるーーそれも悪くはないんだけどね。僕たちも経験したことがないわけじゃないからさ」
『NME』による、ニッキー・ワイアーのさらなるインタヴューは下記の通り。
――それでは、よりポジティヴなものに傾倒しようと考えたのですか? それとも、単にここ何年かの政情に創造性が感化されなかったのですか?
「ごくごく自然に、あらゆるものは自分の世界観に入り込んでくるものなんだ。ただ、アルバムには写真家のヴィヴィアン・マイヤーについての曲もあるし、“International Blue”はイヴ・クラインについてだし、ディラン・トマスについての曲もある。僕は自分の外の世界についての歌詞を書くことを心がけたんだよ、内に秘めた信条だったり終わりの見えない批判についてではなくね。つまりさ、僕はもう自分に対して確信が持てずにいるんだ。自分が何に反対してるかを言うのは簡単だけど、何を支持しているか話すのは容易ではないんだよ。僕は単に、僕らの人生を豊かにしてくれるインスピレーションの種たちの中に入り込んでみたかったんだ」
――フロントマンのジェームス・ディーン・ブラッドフィールドは今年、『NME』に新作について「全員がやってる曖昧で分かりにくいボヤけたグルーヴ」に逆らったものにしたいとし、「またロック」がしたいと言っていましたが、それは実現できたと感じていますか?
「ジェームスはライアン・アダムスに夢中になっているし、間違いなく何曲かは、ブルース・スプリングスティーンの“Dancing In The Dark”をウォー・オン・ドラッグスが歌ってる感じになってるよね」
――今年10月に、あなたはもう新作以外のアルバムは作らないかもしれないと仄めかしていましたが、本作が最後になるかもしれないと感じたことはありましたか?
「そう感じたことはあったよ。あらゆることにディストピア的な考え方をしてしまうんだ。僕はインスピレーションを見つけるために、自分自身にバリケードを張っていたんだよ。これから先、自然なやり方でインスピレーションを見つけられるか僕には分からないね。言葉では説明できないけど、孤立状態の中で攻撃されたくないんだ」
「僕は疑いすぎてボロボロになってしまったんだ。多くの時間を、荒廃した自分の疑念で費やしてしまったんだ。歳を取ったからなのかは分からないけどね。ただ、僕は常にあと一歩で間違った方向へ行ってしまうんじゃないかとか、自分は正しいのだろうかってことを考えてしまうんだよ。19歳の頃みたいに最高に自信に漲っているか、当惑していたらなって思うよ。そのどっちでもいいけどさ。僕はもう、そういう気持ちになりたくないんだ。自分たちと同じくらい他の人にも刺激を与えられるものを作ろうとしている、スタジオにいる時の僕たち3人は除いてね。それこそが僕らを結びつけて、駆り立ててくれるんだ」
『レジスタンス・イズ・フュートル』は2018年4月6日にコロンビア/ソニーからリリースされる。
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