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メタリカのドラマーであるラーズ・ウルリッヒは当時多くの批判を受けることになったナップスターとの訴訟について振り返っている。

現地時間11月5日にニューヨークのカルチャーセンター「92Y」で行われたインタヴューの中で、ラーズ・ウルリッヒはナップスターとの法廷での抗争について違うやり方もあったのではないかと問われて、次のように述べている。

「君の質問にダイレクトに答えるとするなら、相手側が何を考えているのかや本質的な問題は何なのかについて俺たちはもっと学んでただろうね」とラーズ・ウルリッチは語っている。「だってさ、思い出してもらいたいんだけど、これはストリート・ファイトとして始まったことなんだからさ。音楽の未来の問題でも、音楽ビジネスの問題でもなかった。お金の問題とはまったく関係なかったんだ。あれは裏通りのストリート・ファイトだったんだよ」

「(メタリカの共同マネージャーである)クリフ(・バーンスタイン)からある日電話があってさ。俺たちはトム・クルーズの映画『ミッション:インポッシブル2』のために“I Disappear”って曲を制作していたんだ。ツアーの公演をいくつかこなしながら、合間にこの曲をレコーディングをしててさ。それで、翌年の夏まで取っておくことになったんだ。そしたらある日、クリフから電話が来て、“I Disappear”がアメリカ全国20のラジオ局で流れているって言われてさ。それで、俺たちは『一体どうしてそんなことがありえるんだよ?』って言ったんだけどさ。そしたら、ナップスターっていうみんながそこに訪れて共有することのできるサイトがあるって言うんだ。それで俺たちは『じゃあ一体、どうやって奴らは“I Disappear”を手に入れたんだよ? 俺たちが持っているものなのに』ってなったんだけど、それで俺たちはその根源の会社であるナップスターにまで遡って、当時みんながやってたように『じゃあ、ナップスターをぶっ潰そうぜ』ってなったんだ。5つの眩しい光が俺に当たっていて、まったく何も見えないような状態でさ、全部が急に起こったんだよ。俺たちは光に捕まって、その真ん中に立ってた。それで『おっと』ってなったわけさ。ナップスターは多くの人にとって意味があるものだったわけだけど、俺たちは無抵抗なまま捕まってしまってね。だから、どう振る舞えばいいか考えていかなくちゃならなかったんだよ」

「メタリカのライヴに来て、チケットを買えば、自分のレコーディング機材を持ち込んで、メタリカのライヴをレコーディングできるんだ。ブートレッグを作ることができて、俺たちは全面的に奨励してた。俺たちもテープの交換をやってたからね。完全にブートレッグ賛成派だったわけだ。でも、ナップスターで衝撃だったのはまったく理解できないことだった。『なんでナップスターから誰も『こういうことをしてもいいでしょうか?』って電話をかけてこないんだ?』っていうね。だって、それが対話だろ。でも、彼らは俺たちにチェックしなかった。それが俺たちには理解できない部分だったね。そこについては、ちゃんと機能させて、みんなに有益なものにすることについて学ぶこともできたと思う。でも、突然だったんだ。いきなり当事者になってたんだよ。それで嵐に巻き込まれて、みんなからは『メタリカは欲深い守銭奴だ』って言われたけどさ。まったくもって、まったくもって金とかとは関係なかったんだよ。あれは『ちょっと待ってくれ! 俺たちが気にせず、自分たちの音楽をあげることにするというのなら、誰かが許可をとるべきだろ』ってことだったんだ。そういうことなんだよ。それで裏通りのストリート・ファイトが公になって、世界中のことになって、俺たちは完全に無防備だったんだ」

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