テイラー・スウィフトの最新のミュージック・ビデオについて「アフリカ植民地時代のファンタジー」を描いているとして非難の対象となっている件に対して、監督がコメントを発表している。
問題となったビデオは、ジョセフ・カーンが監督を務めた”Wildest Dreams”で、撮影はアフリカの未公表の場所で行われ、すべて白人俳優によって演じられている。
ビデオクリップは、8月30日から公開され、様々な野生動物を背景に、テイラー・スウィフトが情熱的な恋するヒロインを演じ、ロマンスシーン満載の内容となっている。
いくつかのメディアの記事において、このビデオについては、人種差別的なニュアンスが感じられ、特に植民地時代のアフリカの開拓に類推する内容が強調されているという意見が出されていた。
これらの批判を受けて、ジョセフ・カーンは公式の声明を発表し、ビデオクリップには「政治的意図がない」こと、「植民地主義を表現したものではなく、1950年代のアフリカでの映画撮影チームのセット内でのラヴ・ストーリーを描いたもの」であることを説明している。
「”Wildest Dreams”は、運命に翻弄される恋愛関係を歌った曲で、非日常的なロケーションでの恋に落ちた二人の物語がミュージック・ビデオのコンセプトとなっています。このビデオは、植民地主義を表現したものではなく、1950年代のアフリカでの映画撮影チームのセット内でのラヴ・ストーリーを描いたものです」とジョセフ・カーンは、声明文の中で述べている。
また、「いくつかのショットでは、黒人のアフリカ人が起用されていますが、ビデオのほとんどの部分はテイラー・スウィフトとスコット・イーストウッドのショットで占められているため、監督以外のクルーの顔はほとんどカットしました」と続けている。
「このビデオは、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンのような往年のハリウッド映画のロマンスや、『アフリカの女王』、『愛と悲しみの果て』、『イングリッシュ・ペイシェント』などのクラシック映画をベースにして制作されています」
「実際の撮影については、ビデオに登場する俳優だけでなく、このビデオの制作に関わっている主な制作チームメンバーも有色系人物が起用されています。私自身もアジア系アメリカ人であり、プロデューサーのジル・ハーディンはアフリカ系アメリカ人女性、エディターのチャンクラー・ヘインズもアフリカ系アメリカ人男性です。我々が、このビデオのキャスティングや編集を行っているのです。多くの黒人俳優をクルー役として起用することは、過去の歴史を書き換えることになるため、(当時の映画撮影チームはほとんど白人によって構成されていたため)歴史的な正確さを欠くということで、我々は一致した見解を出しました。このビデオは、現代の撮影チームによって昔の撮影風景を再現したもので、スタッフ一同、このビデオ制作を誇りに思っています」
「このビデオには、政治的な意図はなく、ただ、古典的なハリウッド・スタイルの悲劇的なラヴ・ストーリーを描きたかっただけです。また、今回は私のビデオが取り沙汰されていますが、アフリカを描写したミュージック・ビデオは他にもたくさんあります。さらに、ご理解いただきたいのは、テイラー・スウィフトは、絶滅の危機に瀕しているアフリカの動物の保護やアフリカの人々の経済援助のために、このビデオによる収益をすべてアフリカン・パークス・ファンデーションへ寄付することを決定しています」
“Wildest Dreams”のミュージック・ビデオはこちらから。
“Wildest Dreams”は、すでに全世界で800万枚以上を売り上げたテイラー・スウィフトの5枚目のアルバム『1989』からの5曲目のシングルとなっている。
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