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カート・コバーンのドキュメンタリー映画『モンタージュ・オブ・ヘック』の監督を務めたブレット・モーゲンは、ドナルド・トランプの大統領就任や、ハーヴェイ・ワインスタインによるセクシャル・ハラスメントが取り沙汰されていることを受けて、カート・コバーンを「世界は必要としている」と述べている。

ブレット・モーゲンは、カート・コバーンが立っていたのはドナルド・トランプやハーヴェイ・ワインスタインとはまったく正反対の立場だったとして、現代の保守主義とエンターテイメント業界内の性差別についても、もしカート・コバーンが今日まで生きていたら「容赦ない」反応をしただろうと語っている。

「僕らはカートがドナルド・トランプをどう思うか分かるわけでね」とブレット・モーゲンは『NME』に語っている。「思うに、彼はエミネムがやってみせたようなことをしただろうね」

「ハーヴェイ・ワインスタインについてもさ。カートは反動家やはみ出し者、アンチ資本家の旗印になったわけだけど、それがカートなんだよ。僕らのカルチャーや社会においてそうした領域を彼が担っていたことが僕は大好きなんだ。彼は今こそ必要とされていて、音楽界で誰がトランプに対する反動をリードしているのかは分からないけど、もし彼だったらと想像することはできるわけでね。容赦なかったはずだよ。もし彼がまだ僕らといてくれたら、トランプなんて80年代の産物にすぎないよね」

彼は次のように続けている。「彼はきっとそうしたと思うし、当時だって彼は業界内の性差別とか、実際にあった多くのくだらないものに、声高に反抗するロックスターだったわけでね。彼はボスニアで起きたレイプのプロテスト運動の手助けに尽力したり、政治にも熱心で、常に公正な側に立っていたんだよ」

映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインは現在、複数回に及ぶレイプとセクシャル・ハラスメントの容疑で告発された後に取り調べを受けている。

一方、ドナルド・トランプの娘であるイヴァンカ・トランプは若い頃に「パンク期」があったと述べ、ニルヴァーナのフロントマンであるカート・コバーンが亡くなった時は1日中泣いたと明かしている。

「90年代のパンク期はニルヴァーナにハマっていた」とイヴァンカ・トランプは語っている。「私のワードローブは破れたコーデュロイのジーンズとフランネルのシャツで構成されてたの」

「学校が終わった翌日、私は髪を青く染めた」と彼女は続けている。「ママはこの決断を気に入らなかった。彼女は私を一目見ると、すぐに出ていって、ドラッグストアで(ヘアカラーの)ナイス・アンド・イージーの10ドルの箱を買ってきたわ。その夜、髪をブロンドに戻させようとした。彼女の選んできた色は私の元々よりも3段階明るいものだった……私はまったく後悔などしていなかった」

「その後まもなくして、ニルヴァーナのシンガーでソングライターでギタリストだったカート・コバーンが自殺をした。ショックで、錯乱状態だったわ。ママはカート・コバーンのことを知らなくて、少し同情してくれただけだった。自分の部屋で24時間一人でとにかく泣き続けて――よくあるメロドラマだけど――その後、ママは夕食に行くために私を連れ出してくれたの」

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